劇場公開日 2021年10月1日

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「渦巻く青春の光と影とミステリーサークルと。」光を追いかけて はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5渦巻く青春の光と影とミステリーサークルと。

2021年10月6日
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鑑賞方法:映画館

過疎化が進む秋田のとある町。間もなく閉校になる中学校。最近転校してきた彰はクラスに馴染めずにいる。学校最後のイベント閉校祭を成功させるため準備に忙しい実行委員会達。よそ者の彰が入る余地はない。一方、家庭に問題を抱え不登校継続中の真希。いつも屋根の上から黄金に光る稲穂を物憂げに眺めている。

忽然と現れた緑色の光に導かれミステリーサークルで出会う彰と真希。共鳴する2人。自分達ではどうしようもない形で大切なものが失われてしまうという喪失感。不安や孤独から誰もが逃げ出したい。でもギリギリのところで踏ん張っている。少年少女達が痛々しくもあり逞しくもあった。

去って行く人。帰って来た人。ここで生きてゆくしかない人。彰の父と担任の先生との対比が実に上手かった。ぶつかり合い、許し合い、みんなで見た窓の外の光。すぐに大人になってしまう若者達の視線の先のそれが、やっぱり未来や希望だったらいいなと心から思った。

閉校祭をそう締め括るのかという構成。自画像の笑顔に想像が膨らむ。参りました。若い役者さんが一様に瑞々しくて素晴らしかった。真希の民謡も美しかったし、主題歌も良かった。エンドロールに乗せて自転車で疾走する彰。きっとまだ光を追いかけて。

はるたろう