劇場公開日 2022年5月13日

「あふれんばかりの情報量がもたらす息もつかせぬ語り口」シン・ウルトラマン 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あふれんばかりの情報量がもたらす息もつかせぬ語り口

2022年5月31日
PCから投稿

庵野式のストーリー構築、樋口式の特撮、共に高密度で見応えがある。リアルタイムのTV版に間に合わなかった世代の私は、この題材にいつも少しばかり腰が引けてしまうのだが、それでも今回ウルトラマンの姿を初めてスクリーン越しに見たとき、長澤まさみ演じる分析官の「きれい・・」という言葉そのままに、なぜか計り知れない陶酔に包まれる自分がいた。その肉体は銀色の光沢に包まれ、破壊の中に超然と立つ菩薩像のようでもあり、また空へと飛び立つ姿は可能な限り空気抵抗をなくした線形のフォルム。なるほど、これぞ成田亨がデザインした「真実と正義と美の化身」なのか。一方、チームのメンバーや謎の来訪者たちが織りなすドラマ部分も秀逸で、息つく暇もないセリフ応酬が独特のリズムとビートを生む。オリジナル作品とその作り手に捧げられた最大級の敬意を噛みしめつつ、どこか他の庵野作品と相通じるかのような世界観や科学空想をも感じさせる一作だ。

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牛津厚信