「やばいけど最高」聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア ジョーカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5やばいけど最高

2018年2月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

試写会にて。やばい。やばすぎる。
常にヤバそうな雰囲気が漂っている。そんな中でも主人公の背中を追うようなカメラや、天から見下ろすようなカメラ、そして地から見上げるようなカメラなど、とにかくカメラワークが冴えているのが目立つ。そのおかげで映画に釘付けになってしまっているのも事実。
ここは笑っていいのかというような異様なユーモアが散りばめられているのも癖になる。ニコールキッドマンが○○○してるのはびびった。

そして、なんといっても謎の青年、マーティンが出てくるシーンになると流れる厭な音楽が素晴らしい。心理的な不快感をただひたすら煽ってくる。それが画面の中で行われるどうしようもない不条理と見事にマッチしている。その、安全地帯から見つめる素晴らしさ!

ストーリーもさすがカンヌ脚本賞というようにかなり良くできていると思う。難解ではあるが、中盤、丁寧に青年が何者なのかを説明してくれており(その説明自体が難しいのだが)それを理解できればとても面白いと思う。自分は元々このような悪趣味な映画が好きなので大ハマりでした。正義を具現化し、鹿という神格化されている動物をあるものにたとえている。芸術性もあり、純粋に楽しめる要素もある。そのバランスがとても良かった。

聖なる鹿殺しというタイトルだけでもそそられる本作。見て損することはないと思うのでとにかく見て欲しいです。

こうき