劇場公開日 2018年9月7日

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「好きなことをやればいいの、ドッカーンとね♪」泣き虫しょったんの奇跡 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5好きなことをやればいいの、ドッカーンとね♪

2020年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 居酒屋で藤田(小林薫)の言う「負ける悔しさを楽しむ」がいい言葉だなぁ~などと、しみじみ思う。がむしゃらに勝つことだけを考えるよりは、のびのびと対戦できることがいいに決まってる。できれば、人生負けたら終わりという言葉も取り消してもらいたい気もする。

 松たか子の教師役を見ると、どうしても『告白』を思い出さざるを得ない。いつ、爆発するのかと思いつつ、実は生徒の個性を伸ばす信念を持つ、いい先生だったんですね。ハガキのドラえもんの絵も上手かったし・・・

 好きなのは奨励会の仲間とわいわい過ごしていた瀬川の部屋だった。いい人だったから皆が集まったんだろうし、友達を失う奨励会の緊迫した雰囲気を和らげてくれる存在だったのだろう。パチンコ、競馬、ちんちろりん。厳しい勝負の世界から解放された仲間の雰囲気は、棋界という特殊な輪から抜け出す唯一の平和。TVゲームはストⅡにこだわってるところもいいw

 26歳で退会になる奨励会。入水自殺をしたという話も実際にあるのだろう。精進湖だと思ったけど、あの湖の暗さったら半端ない!それだけ残酷でもある保守的な規定の中、やっぱり誰かが打ち破らなければ・・・実際には1944年にプロ編入している人がいたみたい。

 今からでも遅くない。好きなものに打ち込むこと。そんな勇気を与えてくれる作品でした。

kossy