劇場公開日 2017年12月16日

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「守るという決断」ヒトラーに屈しなかった国王 ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0守るという決断

2017年12月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

原題は「The King's Choice」で、邦題よりもよくこの映画を
表していると思います。

ノールウェーは、世襲の君主が主権を持つ立憲君主制という
政治形態です。

政治家を信用せず、国王を民主的に選んだとノールウェー人と
ノールウェー人の信用に応えた国王の物語です。
誰もが、何かを守っているというところが印象的です。

日本も世襲の天皇が主権を持つ立憲君主制という政治形態です。
日本の天皇家は、世界一長く続いている王族ですが、政治家等の
言いなりで、戦争に利用されるだけの存在です。
第二次世界大戦は言うに及ばず、靖国神社という形を変えて
現代の日本でも天皇は政治家に利用されています。

ノールウェーと日本が同じような国には思えません。
ノールウェー人の7人に1人がこの映画を鑑賞し、2016年
の興行成績第一位を獲得し、社会現象的大ヒットしました。
2016年の日本では、「君の名は。」や「シン・ゴジラ」が
社会現象的大ヒットしました。
私は、「君の名は。」も「シン・ゴジラ」も鑑賞していませんが、
根本的に、ノールウェー人と日本人には違いがあるように感じます。

心に残る名セリフもたくさんあるので、期待を裏切ることのない映画です。

「他国の侵略に屈する国家は存在する価値がない」
日本という国に価値はあるのでしょうか?

「君たちは国民に選ばれた。どんな状況下でも国を率いる責務がある」
日本の国民に選ばれた政治家には、国を率いる責務は果たせるのでしょうか?

「この国の行く末は密談によって決まるのではない。
 国民の総意で決まるのだ」
高級料亭という中の密談で、国の行く末を決められている日本という
国に行く末はあるのでしょうか?

映画の余韻に浸りたいという人にはパンフレットの購入をお勧めします。

ノリック007