劇場公開日 2016年5月13日

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「悩めるファスベンダーは最高だよね」マクベス(2015) つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0悩めるファスベンダーは最高だよね

2024年2月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

この作品は評価に困るね。原作に一番近い形で映画にしているし、とにかく映像は美しく素晴らしいので、シェイクスピアファンの人には大いにウケるのではないかと思う。しかし、特にシェイクスピア好きでもない者からすると少々退屈なのだ。

仰々しいセリフもあるし、マクベスの心情の変化もなかなか丁寧に描かれていて良いが、全くアレンジしていないシェイクスピアは、さすがにちょっと時代遅れ感があるよね。四百年前の戯曲だから当たり前だけどさ。
人間の奥にある良心、野心、葛藤なんかの基本的なところを扱った良ストーリーであることは認めつつも、今の基準で判断するとマクベスの苦悩と妻の囁きに対して驚きを持って見ることは出来ない。今はシェイクスピアを元にした、更に深く進んだストーリーだってあるのだから。

しかし、面白いとかつまらないとかと違う素晴らしさは確かにあると思った。
美味しい料理を食べたら満足はするけど面白くはない。美しい絵画を見たら満足はするけど面白いわけではない。そんな感覚だろうか。
そういったわけで、星4つでも星2つでもいいかの星3つにする。

あとは、マイケル・ファスベンダーが好きなので、ウダウダウジウジする姿には大いに満足した。彼がマクベスを演じるから観たようなものだしね。
王を殺すと言ったり殺さないと言ったり、妻の言葉でコロッと心変わりしたり、乱心したり、悩める男を演じるファスベンダーは最高だよね。現代の俳優では一番だと思うな。
って、意外と楽しんだような気もしてきたなあ。

とりあえず、原作が同じ黒沢明の「蜘蛛の巣城」よりは楽しかったと言っておく。

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つとみ