ひそひそ星のレビュー・感想・評価
全14件を表示
色んな意味で困った作品。
内容は、屋形船型宇宙船が宅配便として運航されている人類がほぼ絶滅した宇宙空間で荷物を届けると言う話。届ける場所が東北大震災跡の福島の街並みなので、震災後の街並みを残したいという意図がみてとれる。神楽坂恵を主人公にしている辺り困った感否めず、表現力を誤魔化すには良いアイデア💡と思うのですが、物語通してのヒソヒソ声は観ていて拷問級だ。印象的言葉は『着陸体制に入ります』と宇宙船が言うと同時に外壁扉が🚪開く所。思わずっんな馬鹿なって何度も思うシーンがあり困りましたし笑えました。好きな場面は畳の縁が神社仏閣でしか使用しない白中紋であった事は驚きで、ゴザやら畳の拭き掃除は逆の方向の雑巾掛けも誰が演技指導したんだと言いそうになります。宇宙船もエンジン噴射口は常に火を噴いてる🔥ワケな事なくSF表現のや日常表現にしても粗が目立ち過ぎ笑えました。テーマとして震災後の福島県の街並みや生き残った人々が使いたかったし残したかった様に思える手段が目的化してしまった感じの強くする自分にとってあまり好きな作品ではありませんでした。空き缶を靴底に片足だけ引っ掛けたまま歩くシーンは深い傷(思い出)を残したまま生きる事表現したいのだとは思いますが執拗で困ってしまいます。表現の未熟さをカバーする為のヒソヒソも手段が目的化した様で笑えました。最後の影絵の場面でも表現力の差が解り面白かった。情動音楽のヴァイオリンもしっくりこずに困りました。でも勝手に人の荷物📦開けて見ちゃうのは駄目だよ🙅なぁ。マシンNo.722鈴木洋子さん。
俺感
セピア調の昭和風屋内シーンから始まりますがパンすると宇宙船内です。
なぜか1Kアパート的な台所がありなぜか昭和風な女性がなぜか茶を飲んでいます。
宇宙船の操作パネルは手づくり感に溢れています。
レトロラジオのような箱の船内アナウンスが意味不明の航路を伝えてタイトルが出ます。
タイトルが出たあとの状況説明文は怪しいものでした。
『人類はあれから何度となく大きな災害と大きな失敗を繰り返した。その度に人は減っていった。宇宙は今、静かな平和に包まれている。機械が宇宙を支配し、人工知能を持ったロボットが全体の8割、人間は2割になっている。すでに宇宙全体で人間は、滅びていく絶滅種と認定されている。科学のほとんどは完結しているが、人間は昔と同様、百年生きるのがせいぜいだ。人間の人口は、宇宙の中でしだいに消え入るローソクの火のようだ。』(本編より)
国語力に乏しいのに加えて、率直に言って、とても馬鹿っぽいと思います。
機械が宇宙を支配、8割と2割、絶滅種と認定、科学のほとんどが完結、百年生きるのがせいぜい、消え入るローソクの火。
どうみても、他の言いようがあるんじゃなかろうか。
乗組員であるスズキヨウコは宇宙航行中の日記として音声を録音しています。
その録音として、現在の状況や立場などが説明されます。たとえばしつこいほど挿入される天井照明に囚われた蛾が、何とかいう惑星に着陸したとき入ってきてしまった虫だとか、例えば惑星間宅配サービスで十数年航行しているとか、などです。
それらが総てひそひそ声です。
やがてひとつの星に着き、とことこ荒野を歩いて廃墟のようなところに荷物を届けます。
普通のおじさんがそれを受け取ります。
そんな配達を何件かこなすのが映画の粗筋です。
予感していましたが、音声日記の録音によって、映画として訴えたいことも説明されます。例えば、テレポーテーションなら配達も瞬時だけど、「思い」を伝えるために、何年もかけて運ぶ、とかなんとか。
家での視聴だったゆえ、このへんで私は映画が何分経ったかを見ました。そしてあと何分あるかを見ました。映画が終わるまでにそれを4、5回やりました。
ここで、荷物をテレポーテーションによって一瞬で運ぶより、宇宙を旅して何年もかけて運ぶほうが「思い」が伝わる、という主張が出てきます。
おそらく機械的より人間的であれかし、というシンボルなのでしょう。ただし、それを呈示するには描写が足りません。説明として言ってしまうなら、映画である必要がないのです。スカーレットが、タラのテーマとともにいきなり出ててきて「明日には明日の風が吹くわ」と言えばいいのです。
あるいはテレポーテーションだって「思い」が伝わるかもしれません。なぜそうでないと言えるでしょう。いずれにせよ情緒がいきなり過ぎ、象徴へ導くには短絡過ぎ、なのです。
映画文法を無視というような問題ではなく、これが映画ではないということに、気付かされたわけです。
誰もいない浪江/南相馬でのロケ、またその住人たちの出演は免罪符になっています。素人感も意図的に隠していません。大震災を思い遣っている、彼らに寄り添っているという気配が、冷評を回避するのです。抜かりはありません。
これは、承認欲求で描かれたアートハウス風のプロモーションビデオです。プロモートするのは監督自身です。俺が描く俺の世界です。
言うなれば、桐島の前田涼也が、押しの強い先輩の隣で、先輩のつくった映画を観ている、ようなものです。
鑑賞中、先輩はずっと「どうだこのペーソスは!」とか「どうたこの映像美は!」とか「アルミ缶が靴に噛んだまま歩き回るのって楽しいだろ!」とか、絶対に、それを自負しているに違いないと思わせるねつこさにおいて、同意を強請してくるのです。
とりわけシルエットの回廊のあざとい愁嘆的雰囲気は凄まじいものがありました。
同意はしませんが、これが映画だとするなら、ありふれた体験ではないと思います。
これこそが
園子温が伝えたいことが詰まった作品なのだろう。今の人間がしていること、今の環境がこのまま続くとどのような世界が待っているのか。想像もしたことないけど、昔のものと未来のものが混在しているところがリアルだった。一周回って良いとされるもの、結局愛するものの本質が、人間だけが住む星に表されていたのだと思う。
タイクツ
園子温はわからない?
どこに向かってるのか!?
これはショートムービーならいい感じの1本。
自主製作だから嫁を主演にしたのだろうけど、悪いけど彼女に映画1本背負う魅力はない。
タイクツで、タイクツでコマッタ。
タルコフスキーの時間感覚
タルコフスキー映画のファンにとっては、長回しやオマージュショットもあり、タルコフスキーと同じ時間感覚に浸れる、予期せぬ 癒しの作品。
アンドロイドの宅配業者とずっと旅を続けていたい!
(≧∇≦)
夢の世界
夢のような素晴らしい世界、というわけではない。
脈絡のなさそうな光景や状況がつながっている。
これは園監督の夢なんだろう。夢だと思いたい現実だったりするが…。
寺山修二の田園に死すを思い出してしまった。
詩的
園監督 詩を書いてた頃は「ジーパンを履いた朔太郎」と言われてたらしいんだけど、その部分が前面に出てたね。
主演の神楽坂恵さんが映像に合ってて「さすが嫁さんの活かし方知ってんなあ」と思ったよ。
「これは映像の詩なんだな」と思って観てたから、ストーリーは気になんなかった。動きの少ない映像が続くから、途中何回か寝落ちしたんだけど、まあいいんじゃないかな。ゴダールだってみんな寝るしさ。
「これは詩の世界なんだな」と思ってい観ている草原に漁船が転がっている光景が「現実の光景だ」と気づいたときに、少しヒヤっとしたなあ。
もう一回みたらもう少し色々感じると思うから、また行こ。
初期から中期の作品を彷彿
今から20年前に描き上げた脚本ということもあり、ブレイク以前の作品を彷彿させる仕上がり。SFとしてはチープな作り、エンディングもバッサリ終わる点は好き嫌い分かれると思いますが、それでも私は楽しめました。名古屋のシネマテークで観たのですが、劇場の雰囲気(余りにも古い)と作風がピタリとマッチしていました。
ほんわり
東京フィルメックスのオープニング作品にて鑑賞。
モノクロームでなんだか時代背景もよくわからない、そんなカットから始まり、のっけから引き込まれる。
雰囲気暗いんだけど、妙にコミカルで違和感がある。何だろう、と思っていたら特撮っぽい宇宙船内セット。外からの宇宙船も少しバカにしたようなデザインで笑える。
でもテーマはなかなかシリアスだし、だからこそその違和感が気持ち悪くもあり、ドキドキもする。
終了後のトークセッションで、25年前には予算的にできなかったものを、今やっとできる。今の自分の解釈をできるだけ入れずに、25年前の彼をリスペクトして作った、と言っていた。
なるほど、と思った。あの違和感は妙に完成度が低いからこそ感じるものだったのかもしれない。
とてもよかった。大人のおとぎ話を観ているようなそんな気分になる。
全14件を表示