劇場公開日 2015年11月14日

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「紀里谷監督作品なのに、意外にも普通に面白い」ラスト・ナイツ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0紀里谷監督作品なのに、意外にも普通に面白い

2016年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

過去に何かと日本映画界に物議を醸した紀里谷和明監督作品だけに、一体どんな映画に仕上がっているのか、いろんな期待を持ちながら鑑賞してみましたが、普通に面白いじゃないですか!普通に。
普通に面白いなんて紀里谷監督らしくないなぁ、でも作品としては十分楽しめたので、とりあえずOKです。
まあ元々普通に面白い作品なんて作ろうと思えばいつでも作れたのかもしれませんが、今回はハリウッドデビュー(厳密にはハリウッド映画ではないようですが)と言うことで、とりあえず無難に万人が楽しめる内容に日本のエッセンスを注入した映画を作ってみた感じなのでしょうか?
結局海外での評判はどんなものだったのかなぁ、私は十分面白いと思いましたけどねぇ・・・。

しかしベタな「ラスト・ナイツ」なんてタイトル付けて、センス無いな~なんて思っていたら、なるほど武士道を騎士道に置き換えた忠臣蔵の西洋版を壮大なスケールで描いた話になっていたんですね。
まあこれなら逆にベタなタイトルで良し!
元が忠臣蔵となるといろいろとあの要素が足りないとかこの要素が足りないと厳しい意見も出てきそうですが、私は変にごちゃごちゃ詰め込まずに、シンプルにほぼライデン隊長に絞った話にしたのは、とても見易くて集中できて良かったと思いましたよ。
四十七士的な部下の話も広げようと思えばいくらでも広げられたのでしょうけどね、いや、もしかしたら資金的に厳しくてシンプルにせざるを得なかっただけなのか?(苦笑)

それにしても、今回は今までのようなCGの中に人が不自然に存在していた世界と違って、CGを極力抑えセットや衣装の方を強化して抜群の雰囲気を醸し出していましたね。
全体的に暗くやや抑揚の無い映像ではありましたが、中世ヨーロッパにほんのり東洋色を織り交ぜたような独特の世界観を作り出して、新たな紀里谷ワールドを確立していたと思いましたよ。
ただいくらなんでもキャラがあまりにも多国籍過ぎたのは、さすがにやり過ぎの感もあったかなと。

いやぁ~しかしシンプルな話だったけど、このシンプルさがホントたまらなく良かったなぁ、ギザモット大臣がクズ中のクズだっただけに、尚更感情移入させられました。
クライブ・オーウェンの渋さ、モーガン・フリーマンの存在感、大物2人はさすがの演技でしたね。
そしてライデン隊長に立ち塞がる最大のライバル役の伊原剛志も、日本代表として決して引けをとらない存在感を示していたと思いましたし、ライデン隊長とのチャンバラアクションは最高の一言でした。
普通に面白かったです!

スペランカー