劇場公開日 2016年7月9日

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インデペンデンス・デイ リサージェンス : インタビュー

2016年7月4日更新
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ローランド・エメリッヒ監督に20年ぶりの続編製作を決意させた“あること”とは?

ローランド・エメリッヒ監督が、世界的大ヒット作「インデペンデンス・デイ」の20年ぶりの新作「インデペンデンス・デイ リサージェンス」(7月9日公開)を携えて映画ファンの元へ帰ってきた。ダイナミックな破壊シーンで観客を魅了してきた名匠を自身初の続編制作へと駆り立てたものは何なのか、来日したエメリッヒ監督に話を聞いた。(取材・文・写真/編集部)

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1996年に製作された「インデペンデンス・デイ」が、当時の観客、映画界に与えた影響は計り知れない。今なおSFパニック作品のアイコンとして新たなファンを獲得し続けているが、意外なことにエメリッヒ監督は「確かにオスカーは獲ったけど(第69回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞)、私はすごくフラストレーションが溜まっていたんだ」と語る。それは、自身のビジョンを余すところなく表現するための技術がまだなかったことに起因する。

光が射し始めたのは、未曾有(みぞう)の大災害から生き延びようとする人々を描く「2012」の制作時だという。「『2012』で映像技術の進化に気づかされたんだ。最初は懐疑的だったんだが、初めてデジタルカメラを使って、1400のエフェクトをコンピュータで作り上げる作業をしたときにすごくよく出来上がっていてね。これだけの技術があるなら『インデペンデンス・デイ』をもう1回やってもいいんじゃないか、と思ったんだよ」。

続編制作を決意してからは、「前作に匹敵する作品を作らないといけない」という経験したことのないプレッシャーにさらされた。エメリッヒ監督は「2年くらい前から脚本を書き始めたのだけれど、脚本段階でとにかく時間をかけたね。同じものの繰り返しにはしたくないから、ストーリーもそうだしイメージもかなり変えることを意識したよ」と明かし、熟考に熟考を重ねた制作期間を振り返る。

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ストーリー面については「この20年間で世の中がどういった風に変化したか、外観がどう変わったかを考えた」と劇中の時間の流れを意識し、“地球防衛システムの発足”や“世界平和同盟の締結”“月面に基地を建設”といったキーワードを配していった。「96年の出来事(エイリアンの襲来)を“戦争”として、本作ではいわば“戦後の世界”が描かれる。そこでは、人類が一致団結しているんだ。それが本作の特徴の1つ。もう1つは、人類がエイリアンの技術を色々と学んで、人間の技術と融合させたさまざまものが発明されている社会になったこと。そして、非常に大事なのが、新しい世代。今までの世代から、若い世代にバトンをつなぐことが核になると考えたんだ」。

エメリッヒ監督の言葉通り、“96年戦争”で孤児となり、エイリアンへの復しゅうに燃えるジェイク(リアム・ヘムズワース)、前作の演説シーンで世界中に感動を呼んだ“戦う大統領”ホイットモア(ビル・プルマン)の娘パトリシア(マイカ・モンロー)、96年戦争の英雄ヒラー大佐(ウィル・スミス)の息子ディラン(ジェシー・アッシャー)といった魅力あふれるキャラクターが新たにストーリーをけん引し、シリーズを次のステージへと押し上げている。それだけでなく、地球防衛軍の初代部長となったデイビッド(ジェフ・ゴールドブラム)やホイットモアといった前作のキャラクターにも見せ場がたっぷりと用意されている。

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アクション部分に関しても最新技術をふんだんに用い、「すごくチャレンジだった。ビジュアルエフェクトを今までこんなにやったことはないし、グリーンバックでの撮影もこんなに多くやったことはない」と“変化”を歓迎。おなじみの破壊シーンはもとより「何か大きなシークエンスを作りたいと思ってね。『インデペンデンス・デイ』の世界観とはちょっと違うんだが、クライマックスでは日本的なあるエッセンスを入れているんだよ」と含みを持たせた。

「撮影が始まると、プレッシャーはすべて忘れるんだ。撮影は毎日が非常にクリエイティブで、楽しくてしょうがなかった」と充実した表情を見せるエメリッヒ監督からは、もはや“フラストレーション”は感じられない。「私は、自分の作品すべてに強いメッセージを込めている。ただ、本作は娯楽として作っているから、まずは楽しんでもらって、後から考えたらメッセージ性もあるなと思っていただきたい」とほほ笑んだ。

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