恋人たち

劇場公開日:2025年10月31日

恋人たち

解説・あらすじ

「ぐるりのこと。」で数々の映画賞を受賞した橋口亮輔監督が、同作以来7年ぶりに手がけた長編監督作。橋口監督のオリジナル脚本作品で、不器用だがひたむきに日常を生きる人々の姿を、時折笑いを交えながらも繊細に描き出した。

通り魔事件で妻を失い、橋梁点検の仕事をしながら裁判のために奔走するアツシ。そりがあわない姑や自分に関心のない夫との平凡な生活の中で、突如現れた男に心揺れ動く主婦・瞳子。親友への想いを胸に秘めた同性愛者で完璧主義のエリート弁護士・四ノ宮。3人はもがき苦しみながらも、人とのつながりを通し、かけがえのないものに気付いていく。

主人公となる3人はオーディションで新人を選出し、橋口監督が彼らにあわせてキャラクターをあて書きした。リリー・フランキー、木野花、光石研ら実力派が脇を固める。2025年、公開10周年を記念してテアトル新宿にてリバイバル上映。

2015年製作/140分/PG12/日本
配給:松竹ブロードキャスティング
劇場公開日:2025年10月31日

その他の公開日:2015年11月14日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)松竹ブロードキャスティング

映画レビュー

4.5 川が人を隔て、橋が人を繋ぐ。

2015年11月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

いい映画を観ると、すぐさま外に飛び出して、日の光を存分に浴びたくなる。けれども、この作品は、エンドロールで絶品の光と青空を惜しげなく用意してくれていた。そのあたたかさとまぶしさに、とても満たされた。映画が終わり、客電が点いてしまうのが惜しいような気さえした。
あちら側とこちら側をふらふらとしている主婦、こちら側にしがみついている弁護士、あちら側とこちら側を結ぶ「橋」を点検している男…。特に、深い傷と闇を抱えざるを得なくなった男が、「橋」に関わる仕事をしていることに心撃たれた。ずぶずぶと底の見えない淀んだ水、折り重なる高架線と橋で光を遮られた、薄暗い場所。そんな中を、彼は日々這いずりさまよっている。出口の見えない毎日を、綱渡りのように生きるため…。そんな彼を、そっと見守る同僚たちの存在に、じわっと救われる気がした。特に、先輩格(「滝を見に行く」でツアコンを演じた黒田大輔さん)が、仕出し弁当を下げて男の家を尋ねるシーンは忘れ難い。ずずっと男の独白に迫っていくカメラの勇気に、思わず息をのんだ。
一方、主婦は滑稽なまでのいじらしさと可愛らしさで物語に動きを与え、頑なな弁護士は人の心に巣食う臆病さを見せつけ、わだかまりや苛立ちをくさびのように打ち込む。人を疑わず、気持ちのままに新たな世界に飛び込もうとする女と、傷つくことをどこまでも恐れて人と繋がりを持てずにいる男は、一見両極にいる。けれども、次第にそれぞれの痛みと声にならない叫びが切実に響き出し、共に光をつかんでほしい、闇に落ちてほしくないと願わずにいられなかった。(「サッドティー」に続き、内田慈(ちか)さんがいい味を出していた。)
私事ながら、前作「ぐるりのこと」も、本作も、奇しくも人生の節目に出会えている。とてもありがたいことだと思う。きっと本作も、繰り返し観返すことだろう。とことんまで落ち込みたいとき、そっと背中を押してほしいとき、ただただ劇場の闇に身を置きたいとき、などなど。…本作を劇場でちゃんと観ることができ、これで、お腹の子がいつ産まれても心残りはないな、という気持ちになった。(とはいえ、予定日近くまでは慌てずに居てほしいけれど。)
久しぶりに出会えた良作に、どこまでも感謝。

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cma

5.0 演技を超えた生の声、生々しく迫ってきてたじろぎました

2025年9月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

興奮

その年のキネマ旬報の年間ベストテンの読者選出の時迷わず一位にこの映画「恋人たち」を記入しました。評論家のところでは一位に選ばれてました。映画はとにかく圧倒されました。生の声なんですよね。綺麗ことではなくすごい映画でした。泣かされました。
タイトルからはロマンチックな映画ぽい感じですけどね。

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芭蕉翁

5.0 リリー・フランキーさん出演

2025年7月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

☆☆

リリー・フランキーさんの
登場から
話のテンポが良くなります。

愛する人が不条理な亡くなり方したら
誰だって負のスパイラルに
陥ります。

自分の負の気持ちをぶつける相手がいて
少し救われましたね。

良い演技どころでた。

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tendo

3.5 意外な救い

2025年7月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

 橋梁点検の仕事をしているアツシは、通り魔により妻を亡くし、心は荒んだままだった。つまらない夫とソリが合わない姑と暮らす瞳子は、弘に誘われついていく。パートナーと暮らす弁護士の四ノ宮は、親友の聡をずっと想っていた。
 メインはアツシの部分と思いました。もがき苦しむ彼にとって、カルキと黒田が救いとなっていくのが意外で、気分が軽くしてくれました。
 サブの二人の話に加え、助演の名優たちの存在も、様々な味を添えていてよかったです。あのラベルの写真は、本当に安藤玉恵なのかな。

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sironabe