杉原千畝 スギハラチウネのレビュー・感想・評価
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歴史を学べます。
1930年代の満州時代から、第二次世界大戦終結まで、1人の人物の視点を通じ、日本の外交政策の歴史を一気通貫で観ることが出来る貴重な映像です。他の方がコメントされているように、ドラマ性はあまりありません。しかし、ヨーロッパで何が起こったのか、日本人が何をしてきたのか知る、一つのきっかけになると思います。
たいへん勉強になりました
杉原千畝がビザを発給して多くの人を救ったことは広く知られていて、自分もその程度のことは知っていました。しかし、それがどのような社会的背景の中で行われていたのか、彼がどのような思いでビザの発給を決断したのかは、本作を通して初めて知りました。また、彼がきわめて優秀なインテリジェンス・オフィサーであり、独自の情報網を構築して国家に重要な情報をもたらしていたことも、今回初めて知りました。
本作では、杉原千畝の今まであまり知られていなかった仕事ぶりや家庭人としての側面が描かれ、本当に勉強になりました。ただ、彼の足跡を総括的に描こうとするあまり、作品としての感動的な山場が失われてしまったように思います。まあ、そこまで描こうとすれば、1本の作品には収まらないだろうからしかたないですね。かといって、「命のビザ発給」だけにスポットを当てれば、知られざる一面が描けなくなってしまう。そう考えると、本作は妥当な落とし所だったのかもしれません。いずれにせよ、彼の功績を再評価し、同じ日本人として誇らしく思える、まずまずの作品だったと思います。
もったいない
杉原千畝さんという素晴らしい方を描いた作品としては
正直もったいないと言う感じです。
冒頭のアクションシーンは必要なのか?
松雪さんはいかがなものでしょうか?
唐沢さんが良かっただけに余計浮いて見えました。
杉原さんのスパイ活動やソ連大使の決断など知らなかった事が
わかった分、為になった作品ではありました。
人間・杉原千畝。
これも実話の映画化、おそらくユダヤ難民にビザを発給し続けた
彼の功績にスポットが当たった作品なのだろうとタカをくくって
鑑賞したのだったが、人間・杉原千畝の見えなかった部分が描かれ
とても興味深い作品だった。彼が諜報活動(スパイ活動)に優れた
外交官であったことも実際によく知らなかった。冒頭で描かれる
アクション(描き方に賛否あるようだが)で、こういうスパイ活動
が原因でモスクワではなくリトアニアへ派遣され、難民へのビザ
発給を実行、その後ルーマニアでの終戦に至ったのが理解できる。
情緒深いメロドラマ的な場面は少ない。その分彼の活動がどんな
危険を帯び、どれほど日本に影響を与え、外交官としての責務を
しっかり果たしていた人物だったのかが分かる。身分は高いとは
いえ、かなり波乱万丈な人生。そんな千畝の人生のうねりは理解
できるが、登場人物が多い上にユダヤ人の描写や協力者との逢瀬
などに時間を割いた分、肝心の千畝の本意や家族がどんなかたち
で協力したのかがサーッと流されてしまった感も残る。彼の知ら
れざる部分を描いたことに非常に意味のある作品とは思うのだが。
(外国人も邦人も熱演。それぞれの生き様と価値観の対比はお見事)
よかった
こんな時代があったんだな、と再度確認できました。全体としては重いテーマを映画として表現するのは難しいですね。受け手は勝手に解釈するので。それにしても、現場の人の方がよくわかっているのに政治を動かす人はいつの時代も人の命の重さを軽く見ていますよね。戦時中の出来事を通して再度考えていかないといけませんね
日本人に生まれたことを感謝できる映画です
自分の身を犠牲にして、他民族を助けられる特性、これは日本人だからか?それともカトリック教徒だからか?いずれにせよ、杉原千畝さんの人柄、日本人の特性にも感謝できます。感動のあまり涙しました。
日本人として…
この作品は戦争などの辛い過去を知らない人、知りたくないと心の底で思っている人にみてほしいです。
衝撃的なシーンはあるけれどきっと自分の心のための知識となり、いい影響を与えてくれると思います。
風潮のソフト右翼プロパガンダか。
戦後70年で作られる映画がコレ?と開いた口が塞がらない一本。
杉原千畝という人は、今の一般にはそんなにマイナーな方だったのだろうか。
冒頭のポンコツ007ごっこから激しく萎える。
本作では氏の顔は一切描かれていない。
いや、描こうとすらしていないのではないだろうか。
むしろ場当たりな無責任者にしか見えないのは、酷くはないか。
唐沢寿明氏がドヤ顔でキメればキメるほど、うすら寒くなる作劇の不思議。
本作では結局、千畝氏のケツを拭いてユダヤ難民の命を救ったのは駐ソ大使役の方だったという結論なんだよね?
唐沢寿明氏が全篇に渡り英語を頑張っているが。
だったら徹底して細部までこだわろうよ。
なんで都合よくみんな揃って英語で話を進めるんだよ?
そしてもう一つの引っ掛かりが。
般若、素、不機嫌の3パターンしか表情のない小雪氏の過剰なフィーチャー。
作品の中では大してなんの役割も果たしていないのに、出て来ては話の流れを邪魔するのは事務所力なのだろうか。
ともあれ。
子供の頃に見て涙した、テレビドキュメンタリーの方が百倍マシだった作品。
今の時代に意にそぐわぬ姿を伝えた事を故人に謝るべきだと思う。
「第二次世界大戦時のヨーロッパで、ユダヤ人にビザを発給した外交官」...
「第二次世界大戦時のヨーロッパで、ユダヤ人にビザを発給した外交官」という話だけは知っていましたが、どんな人かは知りませんでした。
歴史的には、軍隊云々よりも松岡外相が馬鹿だったと個人的に思っています。
まあ、選挙直後に格差是正を訴えて青年将校が起こした226事件で有能な政治家はいなくなっちゃいますし、彼らの蜂起の陰には首謀者が国民から英雄扱いされた515事件があり。歴史は繋がっている訳です。
ユダヤ人にしても、当時イスラエル国家こそ無かったものの入植自体は行われていた訳で、ヨーロッパで溶け込んで生活していた人達と新国家樹立を目指していた人達に確執があったりと、一枚岩では無かったりする訳で。
この件を賞賛するイスラエルが、この悲劇を繰り返さないために強くなろうって言って迫害を行っているんだから皮肉なもんです。
そんな事を思いながら見て行くと、ユダヤ人へのビザ発給の下りも単なる同情だったんだろうか?なんて思えてしまいます。
ついでに、彼の戦後の進退についてはこの件とは直接関係無いんじゃないかなぁ…とか。
ともかく、ベタベタの平和主義者かと思っていたら、全然違った。
関東軍こそ悪役っぽく描かれていますが、現代の視点から軍を絶対悪とするような事はせず、満州国を好意的に描いている所とかも評価したいです。
勉強になります
すごく勉強になりました。
こんなことが許される世界だったのか。
でも、こんなに素晴らしい人もいたのか。
日本目線だけでないところが良かったです。
でも娯楽作品としてはイマイチかな…。
面白くはなかった。面白いもんでもないかと思いますが。
え、そこすっ飛ばしちゃうの? と、
え、今の場面、いらないよね? とが入り混じっていた様に感じました。個人的にはね。
でも安定の唐沢寿明さん。かっこよかったです。
きっと、この映画に影響を受けて考え方が変わる人も多いんじゃないかな。見て良かったです。
映画「杉原千畝」の感想
第二次大戦中のリトアニアで、立場をかえりみずユダヤ難民にビザを発給し続けた杉原千畝の動向を追った作品です。
もっと愛国的な内容を想像してましたが、外交人監督の影響か、そうでも無い内容となっていました。
諜報員としての外交官の活躍や、ロマンスの側面もあり、娯楽映画としても見ることができ、好印象です。
ただ一つ、小雪の起用は納得いかないところです。ダンスシーンでの背丈だけ良かったです。
総論的には優良な映画と評価でき、杉原千畝のことをよく知らない人が見ると感動もひとしおではないかと思います。
小雪じゃなければ・・・
日本の体面を保った男の話。
題材は良かったと思うが、小雪は他にいなかったのか?
どうにも外交官の妻には見えなかったような・・・
映画としてはちょっと物足りない印象。
しかし、今の日本は大丈夫なのか?と考えさせられる作品ではある。
しっかりと出来ている邦画
全般的にあまり美化をせずに杉原千畝という人物を描いている点が非常に良かったと思う。
また変に観客に楽しませようと、していないところがいい。
そのような点において最近の邦画にはあまり見受けられない良さがあってよかった。
たかが紙切れ、されど紙切れ
今まで名前と何となくこんなことをした人ぐらいしか知らなかったので、とても勉強になりました。
激動の時代の裏で、こんな日本人がいたんだと知れただけでも、とても有意義な時間になったなと思えましたよ。
それプラス、一本の映画としてもかなりの見応えを感じられて、私的満足度は相当高かったです。
ただかなり生真面目な作品で、エンタメ性は相当薄いですから、そこは好みが分かれるかも。
盛り上がりに欠けると言われればその通り、しかし真摯に外交官としての杉原千畝を描いた作風は、とても好感が持てましたし、十分評価に値するのではないかなと。
邦画によくある感動エピソードを誇張するパターンではなかったからこそ、より杉原千畝の勇気ある決断にグッと来た部分がありましたしね。
邦画でありながら外国人のチェリン・グラックが監督をしたからか、どこの国に肩入れするでもなく客観的に物事を描いていたのもとても印象的でした。
感動エピソードでありながらそれが必ずしもいい結果だけを生んだ訳ではないところとか、日本政府、日本軍の恥部も曝け出しつつ、そんな中にもたくさんのユダヤ人の命を救った日本人外交官がいたと言う事実が真摯に描かれていて、スッと心に入ってきました。
その杉原千畝を演じたのが唐沢寿明だったからこそ、より感情移入できた面はありましたね。
まさに迫真の演技、たくさんの外国語を駆使して、見事に演じ切りました。
真摯に作られた作品の中で唯一奥さん役の小雪だけは異質な存在に映りましたが、逆に言えば世界と向き合った千畝の唯一のオアシスが家庭だったと考えれば、これもまたありなのかも。
外国人キャストも皆素晴らしい演技、秘書の男の千畝に対する感謝の念にグッときた!
世界を変えたいと常々思っていた杉原千畝、彼が救った命の子孫がまたより良い世界に変えていくはずと願ってやみません。
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