杉原千畝 スギハラチウネ インタビュー: 唐沢寿明&小雪、夫婦役で再共演したドラマ「杉原千畝」に手ごたえ

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杉原千畝 スギハラチウネ

劇場公開日 2015年12月5日
2015年12月4日更新

唐沢寿明&小雪、夫婦役で再共演したドラマ「杉原千畝」に手ごたえ

唐沢寿明小雪が、“日本のシンドラー”として知られる実在の外交官を描いたドラマ「杉原千畝 スギハラチウネ」で再共演を果たした。笑いを交えて振り返ったふたりは、「小雪は今まで共演した中で一番演技がよかった」(唐沢)、「(過酷な現場でも)俳優にとってある程度良いコンディションに持ってくること、闇雲に頑張る姿勢は大事で、唐沢さんはそのコントロールが素晴らしい」(小雪)と厚い信頼関係のもと完成させた作品への思いを語った。(取材・文/編集部、写真/根田拓也)

第2次世界大戦時、外交官・杉原千畝氏は堪能な語学力を生かし、インテリジェンス・オフィサーとして諜報活動を行っていた。戦況が悪化していく中、杉原氏は日本政府の許可を待たずにユダヤ難民にビザを発給し、約6000人の命を救う。

「この時代、いろいろな国の情報を知るひとつの手段として、ある種のスパイ活動みたいなことがあったんでしょう。家族もひとつの隠れ蓑っていうのかな、だから大変だったと思います」。唐沢は「細かいことや何を考えていたかは本人しか知らないし、本にも書いていない。しかし、杉原さんが当時異国の地で、日本人の誇りを持って職務に臨んでいたように、自身も誇りを持って演じることで、恥ずかしくない作品にしないといけない」と強い思いで臨んだ。

「家族に言えないつらさ」(唐沢)を抱えていた杉原氏――そんな夫を支えた妻・幸子さん役の小雪は、「想像の世界で実在の方を演じるのってとても緊張する作業なんですが、現場でつくっていくところもあるんです。唐沢さんが撮影している現場の雰囲気があったので、あまり緊張せずに入れたし、幸子さんというキャラクターがいつも自分らしくいられる強く明るい設定だったので、そういう意味でこの作品の花みたいな、自分の中で幸せをちゃんと見つけられる存在を意識して演じていました」とほほえむ。

小雪が見せる幸子は、天真爛漫さを持ちながら妻、母として落ち着いた存在感を放つ。「家に帰って湿った感じの人がいたら、ちょっと気持ち悪いでしょう。夫が使命に駆られ、責務に追われている緊迫した雰囲気の中、自分も暗く家にいるのではキャラクターとしても物語としても成立しないし、マイペースで常に変わらないものって見ていて安心するじゃないですか」。「危険は承知で、背中を後押しできるほど旦那さんの生き方を尊敬していたのでは」と内面を掘り下げ、「見ている方にも画面を通して感じてもらえたら」とスクリーンに焼き付けた。唐沢も「自分ひとりだけならいいけれど子どももいるし、リスクを負ってでも『いいわよ』という強さも結構なことだと思う。同じ方向を見ていないとそういう話に絶対ならない」と幸子さんの強さと夫婦のきずなに感服の様子だ。

杉原氏の映像化に挑んだのは、「サイドウェイズ」のチェリン・グラック監督だ。アイデアとバイタイリティーにあふれた人物で、「アーティスティックな人。映画作りも表現することも好きだし、自分も俳優業をやられているので、出る側も作り手側も両方分かるから客観的に物を見ることができる。現場ではアドレナリンがたくさん出ていた」(小雪)。現場では、ポーランドの俳優ボリス・シッツが「エネルギーを持っていかれちゃう感じ(笑)」(唐沢)とムードメイカーとなる一方で、唐沢も「(自分の撮影シーン以外では)しゃべりかけたり、変顔したりするでしょう(笑)」(小雪)と盛り上げた。しかし、にぎやかな中にも緊張感があり、「こっちのセリフがいいのでは」と英語のセリフが変わった直後、カメラが回ることもあったそうで、唐沢は「ものすごく集中力が問われる世界だった。きつい部分もあったけれど、面白かったかな」と振り返る。

「自分のスタイルを持っていて、自分を知っている」(小雪)、「ある一定のラインを越えてからは、自分のスタイルを持つのもいいのかも」(唐沢)。海外スタッフとの作品作りは、新たな発見があったという。ハリウッド映画「ラスト サムライ」への出演経験を持つ小雪は、「私はそういうことは良く感じているタイプ。マイペースだけど、海外にいたら普通だと思う。みんな個性があるし、社会人として成立していればいいから」と自身の姿勢を明かしながらも「ただ、やっぱり日本人なんです」と話す。唐沢は、そんな小雪を「外国かぶれしていない。日本人としてそこにいる」と称賛し、「勝負するにしてもかぶれていては敵わないし、日本人としているから(海外勢も)マネできない。だから、外国に行くとより日本人であることを意識する」と語った。

今年、終戦70年を迎えた。小雪は「私たち現代人は、戦争を知らない世代に、千畝さんのような日本人がいたことをちゃんと教えていかなければいけないし、そういう役割があってこの作品を現代に出すことになったのではないか」と真摯な眼差しをのぞかせる。

「(当時)日独伊三国同盟を結んでいるから安心だと日本だけが思っていたけれど、そういうものも翻る。戦争ってそういうものだと思います。誰が悪いということではなく、戦争が人を豹変させるし、最終的に残される者はどう生きるかとういことなのではないかな。私たち今の時代の人は、経験者じゃないから戦争をリアルには感じられないと思う。だから、今の時代を投影してどう生きるかということや、小さなことでも家族、社会間で問うきっかけになる作品になるのでは」

唐沢は、「平和ボケ」している現代に切り込み「基本的な部分として、理由はどうであれ人に何かをしてあげる、転んでいる人がいたら手を差し伸べるという当たり前のことがある。日本人としての誇りを持って生きれば、変な生き方にはならないはず。この時代を生きてきた千畝さんたちの生き方を見れば、感じるものがあるのではないでしょうか」。一方で「この作品は教育映画ではない」として、「監督のチェリンは、日本作品に有りがちな主人公だけに焦点を当てたお涙ちょうだいの作品にせず、非常にクールな視点で、周りの人々の物語も丁寧に描いているのがとてもよかった。ものすごい時代の中で生きている人々の強さ。日本人の話だけれど、海外の方と一緒に作ったことにより視点が偏っていないのがいい」と熱を込めた。

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