劇場公開日 2015年3月28日

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「荒廃した近未来、水も無ければモラルも無く、これと言った面白さも…」マッド・ガンズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5荒廃した近未来、水も無ければモラルも無く、これと言った面白さも…

2018年11月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

寝られる

ニコラス・ホルトが出てて、荒廃した近未来が舞台で、貴重な資源を巡って争いが絶えないSFサバイバル・アクション。
だからと言って、この邦題は…。
その作品のようなド派手なアクションを期待すると、肩透かし。

大干ばつで深刻な水不足の近未来。
政府へ物質を運ぶ仕事で生計を立てるアーネストは、荒野の一軒家で二人の子供(姉メアリー、弟ジェローム)と暮らしていたが、謎の死を遂げる。
近家の青年フレムが姉妹の面倒を見る事になるが…。

アクション・シーンもあるにはあるが、小競り合いや復讐と言った感じで、大きな見せ場になるようなものではない。
そもそもサバイバル・アクションと言うより、枯渇した近未来のSFドラマ(プラス、西部劇タッチ)として見た方がいい。
都市部に出ればマシな生活は出来るものの、この干上がった地が再び潤う事を夢見て、この地で生きていく事にこだわる父アーネスト。
弟ジェロームはそんな父を慕い、協力を惜しまない。
姉メアリーはこの生活にうんざりで、反発してばかり。唯一の安らぎは近家の青年フレムとの恋。
アーネストの死後、フレムはメアリーと結婚。子供も授かる。また、アーネストが果たせなかったこの地に水を流すという夢をも実現させる。
頼りになる青年だが、実はこのフレムこそ元凶。
父を殺した真犯人。
父は死ぬ前に、物資を盗んだ疑いも掛けられたが、それもフレム。
姉妹から父を奪い、その姉妹の中に新たな家族として何食わぬ顔で入る“マッド”野郎。
荒廃した近未来、水も無ければモラルも無い。
が、ある時ジェロームはフレムが父を殺した事を知り…。

キャストにマイケル・シャノン、ニコラス・ホルト、エル・ファニング。
四足歩行の作業用ロボットのVFXなど、低予算のSFにしてはそれなりに見応えはある。
掘り出し物にもなれそうなのに、ちょいちょい詰めが甘い点も。
水不足が深刻なのに、何故か酒が豊富なのは腑に落ちない。
アクションもサスペンスもドラマも今一つ盛り上がらず。全体的に地味で淡々と。
邦題がB級感半端無いが、惜しいと言うか、後一歩な作品だった。

近大