劇場公開日 2015年10月1日

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「頭を撫でた犬に噛まれた、残念感でした。」岸辺の旅 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0頭を撫でた犬に噛まれた、残念感でした。

2015年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

寝られる

いやぁ久びさに辛い映画でした。
結構期待してたんですよ、カンヌの監督賞にね。
予告篇も良く出来てたし、
様々な人々との出逢いで生前の夫の人物像を
知っていくという物語の設定も
映画向きな気がしてました。

ただ、
ある視点部門というカテゴリーには、
少し嫌な感じがしてたのですが...。
最初の30分でその予感は、
あえなく的中してしまいましたよ。

行方不明の夫が
突然死後の世界から現れて、
状況説明は一切置き去りのまま。
不在の3年間のお話すら、
無視なのね。

現実と虚構と霊界の境が曖昧のまま、
ふわふわとストーリーが
静か静かににながれていく。
驚愕したのは、
なぜか亡霊を
様々な人たちが受け入れてて、
ともに生活しちゃう。

ロジックも軸もないので、
何だかキモチ悪いです。
あれこういうのあったなぁなんて
デジャブなキブン。
そうだ2月に観た「悼む人」と同じだ。

それでもファンタジーに、
振り切るならいいですよ映画だもん。
けどね妻の虚構なのか、
ホラーなのかも中途半端で。
ギミックな驚きも、
怖さもありません。

幽霊と一緒に過ごしている
深津絵里さんは、
動揺するわけでも
葛藤も描くわけでもなく
終始ふつうの人。
だからなのか、
全く感情移入も出来ずじまいです。
死を受容できない狂気から、
幻覚をみたり死者と会話することもあるでしょう。
けどこんなきょとんとして妄想してる人
ただのサイコパスですぜ。
加えて亡霊の浅野忠信さんも、何だかふつう。
俳優たちは監督が何をやりたいのか
理解出来なかったのでしょうか。
少しぎくしゃくな様子にみえちゃって、
逆に可哀想な印象を受けました。

唯一5分だけ出てきた、
蒼井優さんは凄かった。
意味のない役柄であれだけの印象が残せるのは、
さすがです。

そんなこんなで、
せめてオチに期待してたけど、
あれれという終わり方で。

忙しいなかやっと時間を作って、観に行ったのにね。
その頑張りも虚しく、後半は久びさに落ちてしまいました。
周りを見渡せば、両隣もこっくりですわ。
映画賞絡みの作品は必ず劇場でみるのがコダワリですが、
年に一回はありますね、こういうの。
頭を撫でた犬に噛まれた、残念感でした。

年間100本を劇場で観るシネオ