劇場公開日 2015年3月6日

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「痛烈な体制批判だが、共産党中国でも大ヒットしたとか。根本原因は国家...」妻への家路 くーにー62さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0痛烈な体制批判だが、共産党中国でも大ヒットしたとか。根本原因は国家...

2015年3月19日
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痛烈な体制批判だが、共産党中国でも大ヒットしたとか。根本原因は国家にあるのに、映画は声高には叫ばない。現体制で作られたことに少しく感心する。
文化大革命ものは数多く、「傷痕ドラマ」とくくられているそうだ。有名なのは「芙蓉鎮」とか「中国の小さなお針子」とか。いずれも未見なので比較できないが、この作品もまさしく傷痕ドラマだ。
しかし。映画は夫が受けたであろう拷問は描かない。わずかにピアノを弾く手のアップで「傷痕」を示すのみ。しかし。妻が被ったであろう労働監督からの暴行は描かない。隠喩もない。妻と娘のセリフのみ。
このストイックな態度はどうか。映画的省略というよりも、体制への遠慮と見てしまうのは、これが中国映画だからだろう。
体制が崩壊してから撮り直したいと監督は思っているのではあるまいか。

くーにー62