劇場公開日 2014年5月24日

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「良くも悪くも不完全」キカイダー REBOOT 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0良くも悪くも不完全

2018年7月23日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

難しい

石ノ森章太郎原作で人気を博した往年の特撮ヒーローをリブート。
しかと見た事あったか無かったか記憶があやふやだが、キャラ自体は勿論知っている。その昔、超合金のおもちゃ持ってたっけ。

国家のロボット・プロジェクト“ARKプロジェクト”。
その先鋒を担っていた光明寺博士が謎の死。プロジェクトの鍵を握る博士の子供たち、ミツコとマサルが何者かに狙われる。
二人を救ったのは、博士が造り出した人の心を持つアンドロイド。その名は、キカイダー!

アンドロイドなのに着ぐるみスーツ感丸出しのオリジナルより遥かにアンドロイドっぽくカッコよくなったビジュアル。
入江甚儀が身体を張ったアクションを披露。
初代キカイダーの伴大介のゲスト出演。
“ARKプロジェクト”にある一文字を付け加えた名称、光明寺博士のライバルである“プロフェッサー・ギル”、終盤登場するもう一体のアンドロイド…。
エンディングの往年の主題歌と映像。
これらは馴染み深いファンには堪らないだろう。

もっと気軽に見れる娯楽作かと思ったら、なかなかシリアス。
『電人ザボーガー』『破裏拳ポリマー』など昨今リブートされた往年のヒーロー物がいずれもナンセンスな笑いを含んでいたのに対し、笑いの要素もほぼ皆無。(唯一、「だっふんだ」くらい)
『ターミネーター2』ばりに逃避行の中でキカイダーことジローと、ミツコとマサルの間に芽生える、人とアンドロイドの壁を超えた交流。
アンドロイドであるが、人の心を持つが故の苦悩・葛藤。
元の話がこうなのかは分からないが、『仮面ライダー』や『サイボーグ009』など、単純明快・勧善懲悪ではない石ノ森ヒーローの特色は本作でも一貫されている。

しかし果たして、それが良かったのか、悪かったのか。
まず、子供には小難しい。
往年のファンも童心に返れる娯楽作を期待した筈。
全体的にお堅く、それが平淡でテンポを鈍くしている。
テーマはいいが、ストーリー自体がちと弱い。
演技か本来の実力か分からないが、入江甚儀が感情表現に乏しく、魅力薄。
対照的な女アンドロイド役の高橋メアリージュンはなかなかインパクトあるのだが…。
現代風にシリアスに作るのはいいが、もうちょっと娯楽性を出しても良かったのでは…?

まあでも、それなりには楽しめた。
こういう往年の特撮ヒーローがリブートされるのは嫌いじゃない。
次はどの往年の特撮ヒーローがREBOOTされるか、ついあれこれ思い浮かべてしまう。

近大