劇場公開日 2013年1月12日

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「時間ものSFアクション映画として非常に優れた作品。この水準の作品にはなかなか出会えない。」LOOPER ルーパー Ravenclawさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0時間ものSFアクション映画として非常に優れた作品。この水準の作品にはなかなか出会えない。

2017年9月4日
PCから投稿

興奮

知的

ネットで視聴(英語字幕)

原題:Looper

30年後の自分が、見る影もないツルッパゲだったら、いくらブルース・ウィリスのようなカッコいいジジイになれたとしても、容赦なく撃ち殺してしまうにちがいない。いやそれとも……という抜け毛やハゲが気になりはじめた20代後半男性に深遠な課題を突き付ける心理SF映画の傑作。

というのはまるで嘘だが、なかには本気にする人がいるかもしれない。わたしもその頃にこの映画を見たら、撃つ側に回っていたかもしれない。いまではすっかり諦めてしまったが。ハゲにはハゲでいいところもあるんだ!(じつはそんなにハゲてはいない)

ウーパー・ルーパーやルーピーを連想させる気の抜けたタイトルにしては、非常によくできたSFアクション映画。

サラ役として、あのEdge Of Tomorrow(オール・ユー・ニード・イズ・キル)でリタ・ブラタスキーを演じたエミリー・ブラントが出ているのもうれしい。

彼女が大きな切り株を斧で切るシーン。戦場の英雄を演じた先の作品とまったく違って、この映画では都会の夜を遊びまわっていた未婚の母親が心を入れ変えて人里離れた農場で子供をひたすら育てているという役柄。
そうした背景が斧のぎこちない使い方からも浮かび上がってくる。細部の演技力がすばらしい。

一度目よりも、あちこちに巧みに伏せられた伏線がよくわかる二度目のほうが面白かった。

いくつか謎の点や、ストーリーの矛盾点があるような気がするのだが、時間SFはパラドックスを考え始めると眠れなくなるので、あまり気にしないことにしよう。

Ravenclaw