劇場公開日 2013年1月26日

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「清塚さんの名レッスン」さよならドビュッシー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0清塚さんの名レッスン

2019年10月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

賞をとったサスペンス要素が売りなのだろうが怖がらせ方が稚拙だし、妙なコメディ要素は雑味になる。この映画の魅力は清塚さんの熱演に尽きるだろう。利重監督はレッスンシーンのセリフは清塚さんに任せたようで「ピアニストは手首で呼吸する・・」、本物の語るアドバイスは説得力が違う。アラベスクを速弾きした遥を怒るシーンも演奏家の矜持として頷ける。アスリート指導によくある精神論でなく知識や技術に裏付けされた指導には感銘すら覚えた。
ただ、キャラクター設定はもっと揉んで欲しかった、原作者は奇抜さが気に入っているのだろうがピアニスト探偵なんてダサすぎる、岬洋介はなんでもお見通しとは出来過ぎだろう。それに不自由な遥を励ます設定なのか片耳難聴の設定、それなら調律師のシーンは変えるべき。
周りの人物も子供じみていて魅力に欠ける、演技素人の清塚さんが見劣りしないようにとの計算なのかよくもこれだけ大根役者を集めたものだ。演奏シーンに被せる回想シーンもカット割りが多すぎてカラオケビデオのような安っぽさ、演奏が素晴らしいのだから中途半端な映像加工は邪魔なだけでしょう。作り方次第では数あるピアニスト映画の上位に行けたのにもったいない。

odeonza