劇場公開日 2012年8月4日

「喪の仕事」我らの生活 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5喪の仕事

2013年10月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

幸せ

「よく頑張ってる」最愛の妻を亡くし、乳飲み子を含むまだ幼い息子を三人も抱え、新たな仕事も請け負って、おまけに運悪く命を落とした不法就労者の妻と息子の面倒まで背負い込むクラウディオにかける言葉があるとすれば、この言葉しかないんだけど、彼は肝心な事から目を逸らしている。彼は妻を亡くした喪失感に正面から向き合おうとしていない。

身近な人を亡くした人はよく今までと違う何か新しいことをやろうとするが、自分では冷静なつもりでも、後になってみると、あの頃はどうかしてたということも多くて、結果クラウディオのように空回りする。
今までと同じように生活するということは、その人の不在をことある毎に突きつけられることでもあって、確かに辛い。でも、泣くべき時に泣いて、周囲の人に支えられて、一日一日じっと耐えて、ある程度の時間が経った時に、ようやくトンネルの出口が見えて来る。
ずっと子供達を遠ざけていた夫婦のベットに三人の息子と寝そべってふざける。クラウディオが妻の死を受け入れ始めたシーンとして象徴的。

一人の父親、ひとつ家族の再生の物語であると共に、現在のイタリアが抱える移民、不法就労者、弱者に対する社会保障、違法建築など様々な社会問題をも浮き彫りにする物語。

arakazu