劇場公開日 1956年3月6日

「司葉子主演の娯楽作」見事な娘 たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0司葉子主演の娯楽作

2023年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

司葉子の綺麗で溌剌な姿がまぶしい映画というだけでなく、昭和の東京風景が見られるのも楽しめる娯楽作。
南千住のお化け煙突、国電蒲田操車場、映画館での『ベニイグッドマン物語』上映、黒電話、道端のゴミ箱などが見られるが、丸の内での避難訓練としてオフィスビル3階の窓から道路に飛び降りるのは凄い!(笑)
飛び降りたのは司葉子だし……笑笑

通勤電車で知り合った二人(司葉子、小泉博)の恋物語を中心に、桐子の父(笠智衆)の会社経営問題は金銭がらみドラマ、桐子の兄(土屋嘉男)の駆け落ちエピソード、会社同僚の妊娠問題など様々なドラマが展開するので、全編にわたって気楽に観られる映画。
ただ、序盤で「物語展開のきっかけ作り」=「金」というのが少しクドい感あり、成瀬巳喜男監督作では金銭トークが毎度でもサラッとしており「もうちょっと成瀬巳喜男みたいに描けなかったのかなぁ…」という感じだったが、原作ものなので已む無しかと思う。

司葉子デビューが1954年なので、本作(1956年)では本当に清楚で綺麗。
本作は東宝映画だが、父親が笠智衆というのが小津安二郎監督のような雰囲気を見せる。

ところどころで笑わせられるツボも散りばめられており、なかなか面白い映画であった。

今回、BS日本映画専門チャンネル【蔵出し名画座】で録画鑑賞したが、現時点で未ソフト化は勿体ない映画である。

<映倫No.2116>

コメントする
たいちぃ