巴里っ子

解説

パリ趣味映画の監督者として定評のあるピエール・コロンビエの監督作品で、氏自らルネ・ピュジョールと共同して原作を書いたもの。主役はパリヴォオドヴィル界の人気俳優ジョルジュ・ミルトンで、エレーヌ・ペルドリエール及びエレーヌ・ロベールの両花形、ケルニー、ベルトロオ、レデルスペルジェエ、等が助演している。

1930年製作/フランス
原題:Le Roi des Resquilleurs

ストーリー

舌先き三寸で生きている生粋のパリっ子ブゥブゥルは一文無しだが、抜け目のない彼はパリ中何処へ行っても木戸御免だ。今日しもキッド・ウェプスター対ロベエル・バアレエのウェルター級拳闘選手権争奪試合の競技場へ何をして潜り込んだかブゥブゥルは現れて盛んに声援している。検札係に無切符を発見されて場外へ放り出されたが、そんなことに怯むブゥブゥルではない、忽ちまた入り込んだ。そして試合見物中の美しい娘ルルとアルレットと知り合いになった。彼は相変らず懐中は空っぽだが、ルルと一緒にダンスホールへ出かけ、踊るだけ踊ると巧みに胡魔化して逃げ出す。がブゥブゥルも指をくわえて生きているわけではない。彼は街の一隅に立って朗らかに流行の艶歌などを唄って若千のパンの代をかせぐこともある。そこへ来合わせたルルと彼は六日競走見物へ行く約束をした。其の自転車競走が行われるヴェル・ディヴェエルにも例の手で無銭入場を試みたのはよかったが、見つかって逃げ場を失い放送局の吹込室に跳び込み、苦しまぎれに得意の唄を歌って聴衆の喝采を博した。こういうわけでルルは面白い人だという程度でつき合っているのだが、ブゥブゥルは彼女に惚込んで了った。で屋内プールで会った時彼は思い切って切ない思いをルルに打明けたら、ルルの母親に一たまりもなく撃退された。勿論それに屈する彼ではない、ルルが英仏対抗ラグビィ試合を見物に入ったのを見届けたブゥブゥルは例の通りにもぐり込んだが、戸まどって選手席に座っていたので、選手と間違えられて試合に出場せねばならぬ破目となった。それで飛んだ珍試合となったがブゥブゥルの一蹴りが怪我の功名となって、フランス側の勝利となった。運良く当日のヒーローとなったブゥブゥルはルルの心をも勝ち得た。

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