シューベルト物語

劇場公開日:

解説

楽聖シューベルトが世に認められるまでのさまざまな葛藤を描いた作品。製作はトンマソ・サゴネ、監督は「ほほにかかる涙」のエットーレ・M・フィザロッティ、脚本は「貴方にひざまづいて」のジョヴァンニ・グリマルディ、撮影はマリオ・カプリオッティが各々担当。音楽はシューベルトの佳曲をラヴァニーノが編曲。挿入曲は〈菩提樹〉〈野ばら〉〈鱒〉〈セレナーデ〉〈未完成交響曲〉など。出演はカンツォーネ歌手のアル・バーノ、「哀愁の湖」ロミナ・パワー、アゴスティーナ・ベリ、ポール・ミュラーなど。

1970年製作/イタリア
原題:Angeli senza Paradiso
配給:東京第一フィルム
劇場公開日:1972年3月25日

ストーリー

ウィーンでしがない小学校教師をしているシューベルート(アル・バーノ)は、質屋通いの細々とした生活を送っていた。その質屋で働くマルタ(アゴスティーナ・ベリ)はシューベルトに思いを寄せ、何かと便宜を計ってくれた。ある日、ヴォロキン王女の夜会での演奏を依頼されたシューベルトは、突然訪れたチャンスに胸をふるわせ、マルタが調達してくれた礼服に身につつんで宮廷に向った。集まった貴族の前で弾いた〈未完成交響曲〉は、感動的な旋律であった。ところが突然入ってきた一人の剣士と若い娘の哄笑によって、演奏は妨げられ、この侮辱に怒ったシューベルトは演奏を中断して部屋を退出した。翌朝シューベルトは校長からクビを宜言された。収入を断たれたシューベルトは専念すべき作曲にも自信がもてず憂鬱な毎日を送るようになった。ある日突然、ハンガリア貴族の名門ロスコフ伯爵が、二人の娘の家庭教師を依頼してきた。ロスコフ伯爵邸を訪れたシューベルトは、姉娘アンナ(ロミナ・パワー)を見て驚いた。あのヴォロキン王女の夜会の席で高笑いをした、娘だったのだ。アンナはあのことが気にかかり、お詫びのためにピアノのレッスンを受けることにしたといった。翌日からのレッスンでシューベルトはアンナがみかけ程高慢ではなく、むしろ淋しげな女だと思い直した。そのうちアンナもシューベルトにほのかな愛を感じるようになったが、アンナにはハンガリア一の剣士ルードイッヒ(ポール・ミュラー)という婚約者がいた。しかしルードイッヒにとってその結婚は財産目あてにすぎなかった。しかも上司である大尉の妻と密通まで重ねていたのだ。ある日、お互いの思いを打ら明けたアンナとシューベルトの抱擁をルードイッヒの従僕が盗みみて、ルードイッヒに上申した。一方、密通が露見して決闘に及んだルードイッヒは大尉を一突きで倒すと、急ぎシューベルトを追って決闘を申し入れた。アンナの結婚とひきかえの命乞いに助かったシューベルトは、アンナが取りつけてくれたヴォロキン王女の夜会演奏会で再びピアノを弾いた。その反響は大きく、遂に大作曲家シューベルトが誕生した。成功を喜ぶシューベルトにアンナの別れの手紙が舞いこんだ。シューベルトは急いで駈けつけたが、すでに結婚式は終っていた。見つめあうシューベルトとアンナの目には涙があふれた。一人馬車で帰りゆくシューベルトの後姿をアンナはじっと見送っていた。

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