魂の眼

解説

ハイフェッツの奏でるヴァイオリンの巧みにも以て、心の琴線をあるいは微笑みにあるいは涙に震わせるのはこの映画である--とニュース誌は評している。エルシー・ファーガスン嬢とウィンダム・スタンディング氏との共演で、エミール・ショータール氏の監督であることは「結婚の価格」と同じである。原作はジョージ・ウェストン氏の「義人」The Salt of the Earth で、これをイヴ・アンセル女史が脚色したものである。

1919年製作/アメリカ
原題:Eyes of the Soul

ストーリー

南部にあるバルム・ガードン料理店の歌女グローリア・スウォンは他の歌女とは事変わり真面目な考えを持つ女であった。マルヴィン判事は彼女に恋し、妻とする考えでいたが、金はあるが老人の判事を彼女は余り好んでいなかった。ある日グローリアが判事と一緒に自動車を走らす途中、病人を乗せた車付の椅子に衝突した。乗っていたのはラリー・ギブスンという盲目の負傷兵で、病を養うためにこの地に来ていたのであった。「いっそのこと、あの自動車が私を殺してしまってくれたら良かったのに--」と言うラリーの言葉を聞いて、この盲目の勇士に対する彼女の不憫と同情の念はますます加わった。そして日の経つに連れて彼女は心をこめて彼を慰めるのであった。2人はついに結婚する。やがて2人の中には1人の愛児さえ儲けたのである。たとえ、両の眼は見えずとも、魂の眼を開くことを得た彼は幸福な男ではなかろうか。

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