黄昏の寺院

解説

永らくピックフォード嬢専属の脚色家だったフランセス・マリオン嬢が原作で、ジェームズ・ヤング氏の監督の日米合同劇、早川雪洲氏の対手は「狭き路」等出演のシルヴィア・ブリーマー嬢と「我利我利イェーツ」等出演のジェーン・ノヴァック嬢である。

1918年製作/アメリカ
原題:The Temple of Dusk

ストーリー

日本名門の青年アキラは米国の少女ルス・デールを恋したが、娘は米国の青年エドワード・マークハムと結婚して終った3年の後エドワードが魔性の女アドリエンヌに戯れている時にルスは果敢なく世を去った。アキラは彼女が最後の頼みにより、遺児のブロッサムの保護を引き受けた。その後エドワードはアドリエンヌと結婚して米国へ帰る。アキラはブロッサムの身を案じて同じく米国へ渡って来た。米国にはかつてアドリエンヌと恋仲のペムブローク・ウィルスンという男があった。2人の情は段々温められ遂には流石御人好しのエドワードも妻の貞操を疑い始める。一日彼はペムブロークを我家に発見して口論の末殺害したが、アキラはこれを知り、若し父様が殺人犯人と判ったならブロッサムが嘸や悲しむだろうと日東男子の意気を見せてエドワードの罪を引き受けて獄に投じられる。ある夜アキラはブロッサムが我身を尋ねて泣くを夢み、彼女に対する深き慈愛から遂に破獄した。監守の弾に傷いて辛くもエドワードの家に辿り着いた彼は幼いブロッサムの姿を見て、傷の痛みを耐えつゝ、いつものように機嫌を取るが、出血の為に幼児の枕に頭を埋めて倒れた。彼の魂は既に黄昏の寺院に飛び去ったのである。

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