女性No.1のレビュー・感想・評価

全1件を表示

5.0女性No.1を目指すためには、家庭は邪魔なのでしょうか?

2023年7月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1942年米国公開、白黒作品

女性No.1は女性にあらず

これがテーマです
はてさて現代の女性が本作を観てどのように受け取るでしょうか?

鼻持ちならない男性至上主義の映画であると憤るのでしょうか?
女性蔑視も甚だしいと

それとも本作のラストシーンに納得するのでしょうか?

共働きの新婚夫婦なんて21世紀の日本では珍しくもなんともありません
本作みたいに妻の方がバリバリ働いて社会的地位も上で稼ぎも上なんて夫婦も多いでしょう

その上で家事もこなし、子供も育てなんてすごいことです
大谷祥平にも負けない二刀流です
いや妻、母、ビジネスパーソンの三刀流です

妻も夫も社会でNo.1なんて目指していたら、家庭なんて邪魔なだけです
正直足手まといです
子どもなんて構ってられるはずもありません
本作と同じように家庭崩壊して、子供はネグレクトされてしまうでしょう

誰もがスーパーマン、スーパーウーマンではないのです

中庸でいいのだというのが本作の結論でした

あなたはこれに腹を立てますか?
女性がNo.1を目指したら悪いのか?
夫がもっと協力すべきであると

でもそれで夫婦が成り立つのでしょうか?
家庭が成り立つのでしょうか?
子供を愛情を掛けて育てられるのでしょうか?

神父さんが述べる結婚の言を噛み締めたいものです

とうせこの世は男と女だけ
お互いに惹きつけあって愛しあって夫婦になるのです
愛し合えば子供が産まれるのです
そして子供には父と母が愛情を注いでくれる過程が必要なのです

それがNo.1を目指すために邪魔ならば、結婚なんてできません
してはいけないのです

それが未婚者が増えている21世紀の日本の社会なのかもしれません

でもそうだったら、次の世代は生まれず日本には未来が無いと言うことだとおもうのです

お互いに思いやりを忘れ好き勝手に自分の都合を優先する様には、自分達のことを揶揄されたかのような痛みを覚えました

いちいち小ネタのギャグいくつも挟んで笑わせます
終盤の台所のドタバタは腹を抱えて笑わせます

素晴らしい名作です

スペンサー・トレイシーは42歳
キャサリン・ヘプバーンは35歳
これくらいの年齢で初婚なんて最近だと珍しくもありません
むしろ適齢期なのかも知れません

二人の共演は本作が初で、9本も共演作があります
以後、この二人は私生活でも深い仲となり、スペンサーが67歳で死ぬ1967年まで不倫関係をつづけました
スペンサーに事情があり離婚出来なかったのです
キャサリンはスペンサーの葬式には彼の妻に遠慮して出れなかったそうです

そのような事も頭の隅に入れて本作を観るとまた感慨が深くなります

コメントする (0件)
共感した! 0件)
あき240