孔雀夫人(1920)

解説

リタ・ウィーマン女史がサタデイ・イーヴニング・ポスト誌に掲げた原作をナジモーア夫人自ら脚色し主演した映画で、監督は「幼子の心」と同じくレイ・C・スモールウッド氏である。孔雀夫人と賞せられ、舞台の上に華やかな日を送る女優も、運命の神の冷たき笑みには、失意の悲しみに嘆く日がある。彼女の幸福は誠に己に目覚めた時初めて得られるべきものであるというのが原作の狙いどころである。ナジモーア夫人はジェーン・ゴアリングとグローリア・クロムウェルの2役を演じている。ニュース誌が本映画に下したる厳密なる批評を以下に掲げる。この映画をナジモーア夫人が脚色したことが誤りであった。夫人は自らの演じる役に余りに多くの演技を要求した脚色をしたために、他の役との対照が取れない。しかも各人物の性格描写が不適当な光線の使用によって一層その感を深らしめられる。夫人の演技もグローリアに扮した時の数場面を除いてはほとんど失敗である。監督手法また同感ができない。云々と。

1920年製作/アメリカ
原題:Madame Peacock

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