劇場公開日 1962年11月27日

「『ケープ・フィアー』のオリジナル」恐怖の岬 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0『ケープ・フィアー』のオリジナル

2019年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 リメイク作品『ケープ・フィアー』のおかげで脚光を浴びたオリジナルだ。原作を超えられないとかの酷評もあったが、このオリジナルはクライマックスシーンが弱い。見所は前半であり、今ではストーカー行為に対する法律もあるが、この時代には有意義な法律がないことによって、心理的にじわじわと追い詰められることになる弁護士一家の恐怖体験が素晴らしい出来。人間の弱いところをついた描写がいい。

 金で解決しようとしても応じず、じっと弁護士一家を見張るロバート・ミッチャム。若者を雇って傷つけたりする心理描写は弱いものの、その前後のグレゴリー・ペックの表情がいい。犯人につく弁護士の冷ややかな態度や、徐々に孤立してしまう弁護士サム。絶妙なバランスだった。

 問題なのは岬へと誘った後、小屋とクルーザーとの二元的映像になるが、この行き来の繋ぎが良くなかった。母親はどうなったのか?娘はどうなったのか?と細かな時系列が想像力に委ねられてしまうので、アクションで帰結してしまう・・・。やはり、ペックは新聞記者か弁護士の役がよく似合う・・・

kossy