鐘の鳴る家

解説

ルイジアナ州を背景とし、迷信と恋愛とを題材としたミステリー・ドラマで、J・スチュアート・ブラックトン氏が自身監督をした。主役2人は吾国には未だ知られていないブルース・ゴードン氏とメイ・マカヴォイ嬢である。そして「血の堡壘」に出演したウィリアム・R・ダン氏が敵役を勤めている。

1920年製作/アメリカ
原題:The House of the Tolling Bell

ストーリー

アンソニー・コール老人は十数年以来愛娘が貧乏な音楽教師と駆け落ちしてからは、世の人とも交わらず、「鐘の鳴る家」と呼ばれた山上の1軒家に淋しい月日を送っていた。老人の鐘が鳴るのは凶事の前兆であると村人はいっていたが、ある朝鐘の響は老人の死を報じた。ニューヨークに住むリチャード・スティールの許へは老人の弁護士から遺言状を発表するから立ち合ってくれと言って来た。遺言状発表の席に列席したのは老人の遠縁に当たるジュール・ラ・ロックという心良からぬ男と、之も遠縁に当たる貧しき乙女ルシー・エイサートン、及び老人の勘当された娘の遺児たるスティールの3人であった。遺言に依れば遺産を相続せんと欲するものは満1年間この家に住い、その間屋根裏にある老人の柩を護らねばならない。スティールは遺言を守ろうと決心する。ルシーも窃かに遺言通りを行おうとした。一方ジュールはルシーを手に入れんと結婚を申し込んで断わられる。娘はジュールのため危きところを2度までもスティールに救われる。そしてジュールの悪計は彼が見棄てた恋人ローラに妨げられた。不思議や死んだはずのコール老人が柩から甦った。老人は自分の財産を譲るべき者を定めるため死を装って人々の挙動を捜っていたのである。老人は十数年以前我が娘の清い恋を妨げんとした罪滅しもできるからと、スティールとルシーの恋を許したのであった。

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