トガニ 幼き瞳の告発のレビュー・感想・評価
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最後の最後で絶句!
本当に酷い話。しかもコレが事実を題材にした映画で現在進行形の話だってんだから、笑えなくなる。本当に『事実は小説より奇なり』だ。
この映画のおかげで韓国の制度が改正されたらしい。映画が実世界を動かしたのだ!映画って、スゲー!
世界が私たちを変えないように
内容については事前にある程度分かっていたので、かなり覚悟をして鑑賞。
しかし、これが実話であるという事実だけで十分に重いからか、虐待シーンの描写などは思ったよりも抑制されていたと思う。
ただ、聴覚障害を持ち尚且つ家庭環境にも恵まれない子供たちが被害者として選ばれていたことには非常に憤りを感じる。更に許し難いことに、地元で非常に力を持っていた加害者らは、周囲に対しても事件について沈黙を強いた。
兵役中に原作を読み、自ら映画化に動いたというコン・ユがこの事件の目撃者、そして告発する子供たちの後ろ盾となる美術教師を演じているが、彼もまた加害者らに弱味を握られている弱い立場の人間である。
ここでは、傍観者である私たちも、いつ彼と同じような立場に立たされるか分からない。
世界のあらゆる場所にこのような強者と弱者の構図は存在する。
誰にとっても目を背けたくなるような現実である。
しかし、見ないふりをすれば、私たちは世界に変えられてしまう。
私たちは世界に変えられないように、現実をしっかり見て、声をあげなければならない。
この作品がきっかけとなり、トガニ法が制定され、13歳未満の子どもや女性に対する虐待について厳罰化された。
それもひとえにこの作品が単に事件を知らしめただけでなく、映画として非常にクオリティの高いものだったからだと思う。
胸が苦しくなるようなストーリーの中で、
似顔絵に喜ぶユリの笑顔、海岸で子ども達がつかの間見せたくつろいだ表情が美しく心に沁みた。
同じ人間がしてることと考えたくもない作品
実際の事件を元に映画を製作してるだけあって、内容が生々しく目を背けたくなるようなシーンも多々。
しかし、訴えるものの大きさは計り知れなかった。
障害のある子供たちと分かっておきながら虐待を繰り返す学校があるという事実を明るみに出すのも難しいのに、これを世に出したのがその子供たちと思うだけで胸が痛くなる。
後味の悪さは中々拭いきれないが、これを観た後は必ずこの事件のその後を調べてもらいたい。
後味の悪さは・・最高
相変わらず、この手の韓国映画は「本気」を感じる。徹底した人物描写には日本映画のような生温さが、そこにはない。特に、コン・ユ扮する主人公の「無作為」「無力」こそ、我々が持つ中途半端な「良心的傍観者」感を増幅させる。見た後の、後味の悪さ、やるせなさ、これが映画たるものが我々に突きつける「刃」であろう。
自由・平等・正義 それは単なるお題目でしかなかった!
私はホラー映画が苦手で普段は観ないようにしている。それともう一つ、韓流映画も事故死や、極端な悲劇ばかり起こるストーリーが多く、おまけに血がドバドバ出る作品が多いので、それから観ない事にしていた。
しかし、GWレンタルDVD屋に行って、単館系映画館で見逃していた作品を探していたら、みんな観た映画ばかりが並んでいた。唯一観ていなかった作品がこの「トガニ」だけだったので、血が噴き出さない事を祈りつつ借りて観た。勿論ストーリーは知らずに借りたのだ。でも、観て正解だった。不快な映画ではあるが同時に良い作品だ。
この作品は、実話が元になっていると言うのに、信じられない程に、グロイ話であったので、先ずその事実が信じられなくて、驚嘆した。
しかし、或る意味、韓国映画として観る限りは、本作の作り方は、珍しく地味と言うか、私が以前韓流に持っていたイメージの様な、観客の感情を逆撫でする様な不快感を伴うシーンの映像は総て、寸止め状態で防いで、必要以上にレイプシーンを連続して長く描く事は無かったので、その事が唯一救いとなり、何とか最後まで映画を見届ける事が出来ました。
障害者学校で、実際に起きていた事件で、こともあろうに学校長による、女子児童に性的虐待を働いていたと言うお話だ。そして、それも複数の生徒が被害に遭い、校長ばかりでは無く、他の男性教師が、男子児童に性的虐待を働いていたと言う信じ難い映画だった。
勿論この事件は映画になる位なのだから、特殊なケースである事を祈るのだが、こんな事実が他にも無いとは限らないと考えると更に、戦慄を憶える。
そして、お隣の国のお話と笑ってはいられない。これは何処の国でも起きてもおかしくは無い事だとも言える気がした。
何故なら、私は普段介護職に従事しているのだが、数十年前、介護ボランティアの人に性的虐待を受けた事があると言うクライアントに出会った事が有るので、やはりこう言う事件は起こり得るものだと確信した。
話は変わるが、30年位前に「リップスティック」と言うヘミングウェイの孫娘さんが主演したレイプ事件を描いたアメリカ映画があった。
やはり、この作品でも加害者が無罪となり、被害者は成す術も無い。その判決に納得出来ない被害者の姉が、被害者である妹に成り代わり、加害者を射殺すると言う映画だった。そこで、映画を観終わった後、少しばかりは、気持ちが救われたのだが、しかし、この「トガニ」は誰も復讐する事も出来ずに、そして現在その学校は閉鎖されているそうだが、事件の捜査の決着は今直未解決だと言う。全く救いの無い絶望的な事件を描いた作品だった。
しかし、よくこの様な恥ずべき事件を映画化したものだと、映画化を決定したその勇気には感心した。現実的には、出来ればこの様な悲惨な事件は隠して置きたいだろう。
この被害者を演じていた3人の子役達の演技が凄く巧かった。そして子供を守り、励まそうと努める新任教師も素晴らしかった。やはり映画は食べず嫌いせずに観るべきだと実感した作品だった。社会派映画が好きな方にはお薦め出来る映画ですね。
映画の力を再確認。
韓国の聴覚障害者学校での実際に起きた性的虐待問題を元に映画化。
衝撃的な内容にサスペンス要素を取り入れ、社会の不条理さを映し出す。皮肉を込めたカットも良い。そして、大きな存在を動かすには衝撃的な事が1つや2つ起きただけでは充分ではないという事実を突きつけられた。
エンドロールの最後の言葉が救いになるが、同時に韓国公開時にはまだ問題を抱えてたという事。
圧力もあったと思うが本作のスタッフには限りない賞賛を。映画の力を再確認させられた。
子供が健気
子供が健気に頑張っている様子を見るだけで泣けてくる。そこがリアルなのかもしれないのだが主人公のイケメンがさっぱり活躍しないのでイライラした。
ずっしり、げんなり来る映画だった。世の中には本当に悪い人間がいるので油断できない。
「小説より奇なり」の事実を映画化する意味
事実は小説より奇なり、という言葉がぴったりな聴覚障害を持つ児童への虐待暴行事件。これをあえて劇映画にする意味は何なのだろうか。そう考えながら、本作品を観始めた。冒頭であっけなく露見する、背筋の凍るような悪事の数々と底知れぬ腐敗。それらを明るみに出し、罰すべき罪とする。そんな一見当たり前のことが、実はどんなに困難であるかが、物語が進むほどに明らかになっていく。冒頭の衝撃は、序章でしかなかったのだ。閉塞した地方のしがらみ、慣例主義、金と権力に物を言わせた隠蔽体質。ハリウッドではお馴染みの法廷劇も、最後の最後で思いもよらぬ展開となり、あっけにとられ、脱力した。
邦題のサブタイトルどおり、子どもたちの瞳の力は言うまでもない。その一方で、幾度となく挿入される、俯瞰の視線が印象的だ。天から見下ろした下界、神の目とするには低すぎる。一人ひとりの顔は判別できないけれど、そこに誰かがいる、動き回っている、と分かる高さ。それは、下界を生きる私たちが、時に持つべき視点ではないか、と感じた。少し高いところから全体を見渡すことは、はっとするような気付きを生む。そして、小さく見える彼や彼女の様子に目を凝らし、表情の奥の心情を思いやることは、他者一人ひとりへの想像力をかき立ててくれるはずだ。
重くやり場のない感情が膨らむ中、清涼剤となってくれたのは、主人公の母親。韓国映画では常連のお母さん俳優が演じていた(失礼ながら、名前は存じ上げず…)。ちりちりパンチパーマ、もこもこの重ね着、スカーフぐるぐる巻き、の垢抜けないオバさんファッション。そんな彼女の飾り気のない立ち居振舞いは、主人公のみならず、観る者にも、確かな温もりとささやかな勇気を与えてくれた。「世界を変えようとするのではなく、変わりゆく世界の中で私たちが変わらない」という言葉を体現するかのような彼女の存在は、霧の中のほのかな灯りのようで忘れ難い。
本作は、エンドロールまで終わらない。直前と直後に、実際の事件の後日譚が日本語字幕のみで示される。これは、訳ではない。つまり、韓国では衆知の事実なのだろう。小さな町の事件と、そこから生まれた物語が、国を動かし、たくさんの人の記憶に刻み込まれている。映画の本筋からは逸れるが、そのことを含め、衝撃的だった。
事実は、小説より奇なり。しかし、事実に体温を持たせ、生々しい感情を掻き立てるのは、フィクションの力だ。映画の中身だけでなく、映画の成り立ち、存在自体の意味を考えさせられた。
韓国映画人の心意気
昨今の竹島問題や大統領の反日発言で、韓国に対しては悪感情が募っていたが、この映画を観ている間はそんなことは一切忘れてしまった。
実話を元にしているとしてもドキュメンタリーではない以上、多少の脚色はあるだろうけど、自国の恥ともいうべき事件をここまでしっかり映画化してしまう、韓国映画人の心意気には感心する。
この映画では身体障害者に対する差別だけではなく、韓国社会が抱える問題も同時に描かれているように思う(高層ビルに隣接するスラムのような家に済む貧しい人々もその一例)。そこには国(社会)の在り様に対する冷静な視点が感じられる。
日本にも年間3万人以上の自殺者や、また顕在化してきた学校のいじめ問題、教師などによるセクハラ・盗撮事件や、東日本大震災の被害者への言われなき被爆者差別など、もっと自分たちが関心を持つべき暗部が存在している。日本の映画人も娯楽作品の合間に、多少重いテーマでも心意気を示す作品に取り組んで欲しいものだ。
これが実話なんだからひどすぎますよね。
この韓国映画もすごい内容でした。おまけに実話とは…。
それにしても、賄賂、わいろ、ワイロ…どんだけズル賢い人が多いんだか…。
この映画だけでなくて‘人の命より金’的な道徳観がいろんな作品で韓国映画には見られます。ホントにこんなに乱れているんだろうか?
内容が内容だけに子役の演技が素晴らしいです。
よくこんな役を引き受ける子役が居るもんだと感心しちゃいました。
話が村ぐるみで障害を持つ子供たちへの虐待を見てみぬふりする村人たちと、被害者の子供たち、この状況を打開しよとするソウルから赴任してきた教師と村の人権センターの女性職員の対決が裁判劇含めて展開されます。
実話だからラストもそんなに甘い結末にはならず子供たちの笑顔が少しの救いでしょうか。
大変な映画でした。
韓国の悲しい事件を映画化
韓国の悲しい事件を小説にそして主演のコン・ユ氏が映画化を切望して見事映画になり、社会現象にまでなって事件の裁判をも動かした映画です。どこにもこういう闇があり日本人も考えさせられる弱者への共感の必要性を訴えていると思います。是非とも沢山の方に見ていただき、勇気を持って社会を見つめて欲しいと思います。
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