劇場公開日 2010年7月3日

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「せっかくの素材が・・・もったいない」ロストクライム 閃光 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5せっかくの素材が・・・もったいない

2010年7月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

主役ふたりの刑事は文句なし。ふたりを取り巻く女たち、片桐の同棲相手を演じた川村ゆきえ、滝口の妻、中田喜子、旅館の女将、烏丸せつこの3人もいい。
だが、ほかの主要キャスティングがベタすぎる。映画というより、テレビの2時間ドラマを観ているようだ。かたせ梨乃と宅麻伸の演技はクサいし、脱ぎもせずにだらだらと繰り返されるベッドシーンにはうんざり。夏八木勲は若いときのシーンの方が老けて見える。
内容的にも、真実を暴こうとする現場の刑事と、それを隠すためなら仲間をも裏切る警察機構の暗部を描くことに特化すればいいものを、復讐劇まで絡めて焦点がボケてしまった。たとえ原作がそうであっても、映画ならではの切り口で再構築は考えられなかったのか?
時折、唐突に鳴り響く雷光といい、大島ミチルになんでこんな仕事をさせたと文句をつけたくなる大袈裟な音楽といい、骨太なサスペンス映画になるはずの素材を台無しにしてしまったのが残念だ。こんなので重厚なドラマを見せたつもりなら、映画ファンとしては少し悲しい。

マスター@だんだん