劇場公開日 1950年12月1日

「ワイラー監督の手腕とオリビエ」嵐が丘(1939) jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ワイラー監督の手腕とオリビエ

2018年9月19日
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ウィリアム・ワイラー監督の格調高い名作
白黒の計算された画面構成が 美しい

若きオリビエの アメリカ進出第一作だが、英国演劇界をこのあと引きいてゆくのが、私でも予想される存在感だ
演技力はもちろん、タキシードって こう着るのね、と思わせる姿
ハンサムだが その重厚さが、 より舞台の方に 向いている感じはする

マール・オベロンは美人だが、ドレス姿より 嵐が丘で風に吹かれている方が、自然で美しい
適役だろう
私生活でも 華やかな恋愛遍歴がある人で、何か 受け身ではない、強さを感じる

この二人は 仲が悪かったらしいが、それがいい意味で パッションを感じさせるのかも

有名な物語で 私達がイメージするものを、ワイラー監督はきちんと映像にして見せてくれている

なお、ヒースクリフと結婚する 義妹役の ジュラルディン・フィッツジェラルドは 有望な若手女優だったが、主張が強く 仕事を干され、困難な道を歩んだ
将来を感じさせる、知的な美貌の持ち主であり とても残念である
その後、トニー賞に 女性演出家として 初ノミネートされているが、女優としては 時代に合わなかったのかもしれない
早く 生まれ過ぎた不幸、みたいなものを 感じる

jarinkochie