劇場公開日 2009年9月12日

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「原作を知らなければ楽しんだだろうか、、、」火天の城 asicaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0原作を知らなければ楽しんだだろうか、、、

2019年12月20日
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原作がすごく好きで
だからと言ってあの話を映画にしてもねえ〜と思ってしばらく見ないでいた作品。
アマゾンプライムで視聴。

原作の主題さえも引き継がれてなかった。

原作のいろんなエピソードをつまんで作りましたという感じだけどエピソードつまむにしてもつまみ方の思考が現代風。

映画にも出てくる大きな石
あれは物語では 赤い大蛇のような筋が入ってて
石を見た信長が城の前に置くというのを石工のリーダーが
「これは動かしてはいけない石です。死人が出ます」
って言うので信長が、「やらぬと言うなら お前の首をはねる、いやそれじゃお前は喜んで差し出すだろうからお前の嫁と娘の首をはねる!」
と言うと
「この石を動かす死人の数を考えるなら妻も娘も喜んで首を差し出しますでしょう」
って言う。
うわっ そう言うんだ!っていう驚きがあったりするわけで。

城作りについても
あの時代の城郭建築は その後の城とは違っていて
秀吉が作る墨俣城とまでは行かなくとも
その戦の場所場所に出向いて行ってさくっと作るもの。

そう言う知識的な事も読んでわかっていくわけで
戦に追随しつつ作る城造りとうって変わって作る異形の城の
図面を引くのは息子で 棟梁の西田敏行はなんか悪い予感がしてて それを表すかのように結局炎上するという
身も蓋もない話。

原作ままだと西田敏行は、いいとこなしの主人公になっちゃうから そのままってわけには行かなかっただろうとは思う。
だからあんまり見たいと思わなかったんだと思う。

一番の違和感
原作にない娘の役のセリフが現代的すぎてこれはちょっと頂けない。
お母さんのそばにいてくれたら(仕事ほっといて)
って、20世紀にも言えてないしそもそも思わない。
21世紀になってやっとですよ。

この時代にそれは言うわけがないなあ
というか 仕事に口突っ込みすぎ。

原作の時代考証が台無しなので
これは 題名が同じで別のもの

ですね。

原作知らなければどんな感想になったんだろうか。

asica
kossyさんのコメント
2019年12月21日

コメントありがとうございます!
この映画はストーリーが優れてました。
城を中心に描くドラマが最近増えてきたような気もするし、熊本城や首里城の復興を願いつつ、ドキュメンタリーでもいいから見てみたいです。
信長役って、誰が演じても不満が出るものですが、今作はそんなに批判がなかった気がしますw

kossy