劇場公開日 2010年12月4日

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「糖尿病もこわい」エクスペリメント kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0糖尿病もこわい

2018年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

『es』を観たときとは違って、なぜだかアメリカらしさという視点でいろいろ考えさせられた。主人公のトラヴィス(ブロディ)は最初に平和デモに参加して、一人の女性ベイ(マギー・グレイス)と出会い、意気投合。彼らの会話にこそこの映画の真意が隠されていたのではないか?逆に、彼らの言葉によってちょっとだけ見方が変わってしまったかもしれない。

 実際に行われた実験を題材にしているだけあって、権力を握ってしまった人間は人格に関係なくその役割を全うしようとする心理学。集団行動という点ではちょっと物足りないものの、二人のオスカー俳優の対立は見ごたえ十分。残念なのは、その心理学実験によって現在・過去問わずに風刺できるようなものになってないこと。人間の本質を見せられるだけで終わってしまったような・・・それでも、糖尿病のフライングマンことベンジー(イーサン・コーン)がインシュリンを欲しがってるときに、最終的に看守側のバリス(ウィテカー)がベッドのわきにそっと注射セットを置くところに人間味が感じられた。

 なんとなくハリウッド産刑務所映画をそのまま踏襲しているような雰囲気はつまらないぞ。

kossy