劇場公開日 2008年10月25日

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「エリザベスはアン・ブーリンの、と言うよりもヘンリー8世の血筋か…」ブーリン家の姉妹 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0エリザベスはアン・ブーリンの、と言うよりもヘンリー8世の血筋か…

2022年8月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

「わが命つきるとも」と「1000日のアン」等々を
観た延長で再鑑賞。

多分に初めてこの作品に接した人にとっては
それなりにドラマチックで、
姉妹の愛憎劇として面白く観れる作品
だったのではないだろうか。

一方で沢山の関連作品を観てきた私には、
余りにも話が作られ過ぎているような
違和感があった。
姉妹の愛憎劇を中心に据えたのは
面白い着眼だったろうが、
この箇所も姉妹に関連付けるために
変えたんだろうな、という場面が多過ぎ、
史実から離れ過ぎているのではとの
思いに捕らわれ続けたのは
私にとって鑑賞上のマイナスだった。

また“性”が前面に出過ぎたのも
登場人物の性格描写を
少しおろそかにしてしまった原因にも
感じる。

多くの作品で、
アン・ブーリンの血筋と
イメージ付けられるエリザベスだが、
ヘンリー8世は
妻を取っ替え引っ替えしながらも、
国王として
イングランドとウェールズを統合したり、
また、教養あるカリスマ性高い人物だった
と聞く中、
エリザベスは、
イングランドを黄金期に導いたの女王
との評価の一方、
穏健ながらも短気だったり、また、
ヴァージン・クイーンと言われながらも
沢山の男性と浮名を流したとのことなので、
彼女はむしろ
「アンではなくヘンリー8世の血筋」の人物
と言った方が相応しいような
気もしてきている。

KENZO一級建築士事務所