劇場公開日 2018年2月17日

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「ジブリの原点」パンダコパンダ 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ジブリの原点

2022年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画館で見たのは初めて。宮崎駿・高畑勲が東映動画を離れて作った初期の作品であり、生活感を大事にする作風がすでに発揮されている上に、純朴なファンタジーが日常描写と両立している。両親のいない女の子ミミ子は、祖母が法事で出かけてしばらく一人暮らしになったところに、パンダの親子が転がり込んでくる。3人の疑似家族生活を丁寧に描写する点は、後の高畑アニメの代名詞となるものだし、人間ではないものとの奇妙な共同生活は『となりのトトロ』を彷彿とさせる。パパンダはトトロにそっくりだし、快活なヒロインのミミ子は宮崎アニメの後のヒロイン像に通じる。後半の迷子騒動も『トトロ』っぽい。
パパンダのデザインはすごく絶妙でトトロに活かしたくなったのもよくわかる。笑った顔がやや不気味なんだけど、ずんぐりした体型は愛嬌がある。得体の知れなさと可愛らしさが上手い具合にバランスがとれている。動物園を会社とみなして出勤するパンダという結末はユニークな落としどころだった。電車に乗って通勤するパンダのシュールさがすごい。映画館で見られて嬉しい。

杉本穂高