劇場公開日 2008年5月21日

  • 予告編を見る

「やっと大人の鑑賞に堪えるレベルになったなという感じです。」ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0やっと大人の鑑賞に堪えるレベルになったなという感じです。

2008年8月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 前回とつながりがないのかと思っていたら、ペペンシー兄妹がまんま出てきたり、氷の魔女もちょこっと出てきたり、シリーズとしてのつながりを感じさせてくれました。でも、前作を見ていなくても充分に楽しめるでしょう。
 本作は、前作のチープなところを大幅に改めて、スケールアップしていました。よかった点としては、カスピアン王子を登場させ、本格的な戦闘シーンを軸に持ってきたことです。主に二つの攻城戦は見どころたっぷりでしたね。
 前作の最大の問題点は、ペペンシー兄妹がいきなり勇者となり、戦闘シーンにも参加して勇敢に戦うというところがどうにも違和感を感じてしまったことです。あれからこの世界で1年たち、兄妹も研鑽を積んだようなので、見ていて前作ほどの違和感を感じさせませんでした。やっと大人の鑑賞に堪えるレベルになったなという感じです。
 ネズミのリーピチープはキャラとしてかわいく、気の強く誇り高いという点では、ストーリーにスパイスとなる存在でした。
 あとルーシーとナルニアの民との交情は、なかなかほろりとさせてくれましたね。

 但し今後もペペンシー兄妹+ゲストキャラのダブル主役でストーリーを組んでいくとき、どっちつかずになりやすいという危険性はあると思います。今回も微妙でした。
 あとアスランをあまり万能の存在にしすぎるのも問題でしょう。今回も登場が遅すぎると思います。けれどもあの結末では、アスランを早く出してしまうと物語が終わってしまいますからね。つまり黄門さまの紋所のように、アスランの登場が切り札となってしまい、シリーズ各話の集結をワンパターンに持って行く可能性が高くなってしまったのです。 もう少しカスピアン王子を活躍させてもよかったのではないかと思いました。

 それにしてもカスピアン王子は自国の兵を平気で殺していきます。中には友人や親類の兵もいることでしょう。どうしてあんなに平気で殺戮できるのかは疑問です。

 ラストの砦の攻防で、一見守備が弱そうに見せかけて、巨大な罠が仕掛けてあったのには驚きました。ナルニア側の作戦面は、なかなかのものでしたね。

流山の小地蔵