消されたヘッドライン : 新作映画評論

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消されたヘッドライン

劇場公開日 2009年5月22日
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消されたヘッドライン 5月22日よりTOHOシネマズスカラ座ほかにてロードショー

ラッセル・クロウの好演で楽しめるが、ラストのサプライズに疑問

イギリスBBCで放映された全6回のTVシリーズを「ボーン・アイデンティティー」3部作のトニー・ギルロイら現在のハリウッドで最も人気のあるライター3人が、舞台をアメリカに置き換えて翻案した本作。ワシントンD.C.で起きた2つの殺人事件の真相を探る新旧2人の新聞記者(ラッセル・クロウ、レイチェル・マクアダムス)が、ぶつかり合いながらアメリカ最大の闇に迫っていく。

「ワールド・オブ・ライズ」に続いて、こってりした肥満男に扮したラッセル・クロウは代表作「L.A.コンフィデンシャル」で演じた役柄同様、押しが強い能動型のキャラクターを好演。“肉食系”ならではのバイタリティで、サスペンス、ドラマの両方で見る者をグイグイと映画の中へと引き込んでいく。久々の当たり役といっていいだろう。

石油会社とイギリス政界の癒着が描かれたTVシリーズに対し、民間戦争請負会社とアメリカ政界の癒着が描かれる本作。常に国外での戦争を必要とするアメリカという国に相応しいアレンジだが、オリジナルのストーリーをそのまま引き継ぎ、ラストにある種のサプライズを配したことにより、“巨大資本、国家権力対ジャーナリズム”というテーマが薄められてしまった。金融破綻により荒れ果て、再生を期する今のアメリカだからこそ“軍需産業と政府の蜜月”、“メディア・コングロマリット時代のジャーナリズム”といったテーマを深く掘り下げ、内省を促すようなリメイクにするべきだった。

(編集部)

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