劇場公開日 2005年7月9日

「プルーノ・ガンツ名演」ヒトラー 最期の12日間 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0プルーノ・ガンツ名演

2017年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合80点 ( ストーリー:70点|キャスト:85点|演出:80点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )

 迫力の演技・演出・映像だった。特にヒトラーを演じたブルーノ・ガンツは名演だった。独裁者ゆえに恐れられて正確な情報の報告をしてもらえず、現実と自分の夢想との違いに激怒して、自分が原因を作っているのに他人をひたすら批判する。現実を知らないまま、知っていても認め難く、夢想のほうを現実と思いたがる。破滅の極限に追い込まれた独裁者の典型的な姿だが、これほどの有名人の最後の様を見事に演じていた。ヒトラーというこの役を引き受けるにはかなりの葛藤があったと本人が会見で言っていたが、結果としては見事にはまり役だった。
 周囲の登場人物の演技も良かったし、本部内の描写や戦闘場面も美術が良く出来ていた。全体として質感の高い作品に仕上がっていた。

 物語は破滅に向かう限定的な時間・空間のことなので、その様子の描写に緊迫感があったものの話に大きな動きはない。また当時の情勢とヒトラーの側近について基本的知識が無いと理解が浅くなるので、人によっては入り込めないし難しいと思うかもしれない。でも物語よりも当時の様子を再現した演技と緊迫感に見応えがある。

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Cape God