シーディンの夏

劇場公開日:

解説

故郷でひと夏を体験した青年の姿を綴る青春ドラマ。監督のチェン・ヨウチェーは本作が2作目ながら、台湾のアカデミー賞、台湾金馬奨にて最優秀短編映画賞を受賞。さらに、第15回東京国際映画祭「アジアの風」部門に短編ながら正式招待された。バンクーバー国際映画祭、釜山映画祭など、世界各地の映画祭にも招かれた。

2001年製作/60分/台湾
原題:石碇的夏天
配給:あかり屋、スローラーナー
劇場公開日:2003年10月11日

ストーリー

この夏、青年シャオツー(ファン・チェンウェイ)は海外短期留学を楽しみにしていた。しかし、不況の影響で親の援助を受けられなくなり、計画を断念。仕方なく、故郷・石碇(シーディン)にある雑貨屋を営む実家で、おばあちゃん(リー・ショウ)と夏休みを過ごすことになった。そんなシャオツーとおばあちゃんの住む家に、小学校の夏季英語教室の教師を務めるケベック人女性のエリサ(マノン・ガルソー)が、間借り人としてやってくる。やたらとかわいい孫に世話を焼きたがるおばあちゃんへの、ちょっとした苛立ち。そして新しい風を運んできた年上の女性エリサへの、ほのかな憧れ。そんな気持ちを素直にあらわせず、ひとり悶々とベッドで天井を見上げるシャオツー。留学を目指していただけあって、英語が得意なシャオツー。エリサは、中国語が達者。おばあちゃんは、中国語の読み書きができない。しかし、世代や人種、育った環境の違いといったコミュニケーションの壁を越え、3人の間にはいつしか絆が芽生えてくる。「あれは何?」。夜、ふわりふわりと上昇するひとつの灯りを見つけたエリサ。それは天灯だった。シャオツーは説明する。「紙でできたバルーンに願いを書いて、空に放つんだ」。雑貨屋で天灯を広げると、エリサはさらりと英語で願いを書き、シャオツーにも書くように促す。しかし、シャオツーは、なかなか本当の願いを言葉にすることができない。やがて、理不尽な仕打ちに傷付き、奇妙な行動に出るエリサ。傷ついた彼女を慰めたくても、かえって傷を深めてしまい、素直になれない自分を持て余すシャオツー。おばあちゃんは、そんな二人をいつもやさしく見守っていた。やがて夏が終わり、別れの時が静かに訪れる……。

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