劇場公開日 1983年4月26日

「大人の男の人生に触れ大人の世界を知る少年」センチメンタル・アドベンチャー Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5大人の男の人生に触れ大人の世界を知る少年

2017年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 オクラホマからテネシーまで壊れそうな車で歌の試験のために旅に出る。その前に旅費のための貸金の回収の場面が一番面白かった。その他にも途中で起きる数々の出来事が飽きさせない。レッドの語る女の話もこの時代ならではの不道徳さで無茶苦茶だがけっこう重くてしんみりとした。農場でしがない季節労働者をしていた貧困の彼の車のリンカーンは、登録証もないようだしやはり盗難車かな。
 しかし本来の盛り上がりどころである、実際にナッシュビルについてからの展開は平凡に感じた。音楽の試験の場面はもっとしっかりと描いて欲しいし、音楽の映画なのに歌が平凡なのでもう少し質感を上げて欲しい。ほったらかしの祖父・妹夫婦の行方も気になる。

 甥役を演じるイーストウッドの息子が、父親が売り出そうとしたのか最初から最後までいい役柄だったが上手くこなしていた。彼はこのあと実生活で本当に音楽家になったようだ。

 それからオクラホマのアメリカ人の友人が、息子が年頃になったら父親がそういう場所に連れて行って経験をさせるという伝統があるのだと言っていたのを思い出した。20世紀前半にはこの伝統はあったようだ。

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Cape God