劇場公開日 1982年1月23日

「なんとなくヴァンパイア退治冒険物語の序章って感じ」死霊伝説 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0なんとなくヴァンパイア退治冒険物語の序章って感じ

2020年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 元はテレビシリーズだったようで、CM用に途切れ途切れに編集してある。キング作品らしく、セイラムズ・ロットという人口2千人強の小さな町の人々を描いてありました。今回は3時間もある“完全版”を視聴。それほどドロドロしてない人間関係やキリスト教に対する考え方など、冗長すぎるくらいに訴えてくる。いや、名前覚えられないから丁度いいくらいの長さにも思えた。

 久しぶりに故郷に帰ってきた小説家のベン・ミアーズが、美術教師のスーザン・ノートンとあっという間に恋仲になり、彼女を好きだった配管工ネッドがベンを襲うとか、不動産屋クロケットが従業員ボニーと不倫していたため、その夫であるトラック運転手のカーリーが二人の自宅での密会現場に銃を持って現れるとか・・・ホラーには関係ないストーリーが何だか面白かったりする。

 ベン・ミアーズは新作執筆のため町のはずれにあるマーステン館に住みたかったのだが、ちょっとの差でよそ者ストレイカーに先を越される。何しろ、ベンの少年時代に肝試しをしたこともある幽霊屋敷。そんなレトロスペクティブなノスタルジーを想起させておきながら、実は吸血鬼がいたんだよ~的な、キングらしい作品だ。回顧的ではあるけど、ベンは反原発を訴えるなどリベラルだったりもする。

 やっぱりテレビ版ということもあり、スマートな作りではない。コマーシャルに入る直前に不気味な手が登場したりする工夫があったり、全体的には緩い人間模様描写が目立つ。恋人なったスーザンも助手的な役割じゃなく、彼女の医者である父親が一緒に謎を解明するため協力者となったりする。最後には助手が○○君だったりして、ヴァンパイアのシリーズ化も匂わせるエンディングだった。

kossy