劇場公開日 2022年6月17日

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「それほど単純な話ではない」ショーシャンクの空に あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0それほど単純な話ではない

2023年10月12日
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鑑賞方法:映画館

原題は「The Shawshank Redemption」ショーシャンクでのつぐないとか贖罪といったところか。
意味合いは終盤のレッドの仮釈放面接の際に説明される。
すなわちこの映画は、殺人による終身刑で40年ショーシャンクで服役しているものの、優秀な調達屋であり娑婆にいれば何をやらせてもさぞ有能だったと思われるレッドの視点による刑務所の中のおとぎ話である。
さてアンディ。無実の罪で入獄した銀行マンで真面目で誠実な人柄で…ということなのだがそんな単純な話ではない。そもそも彼が妻と愛人を絶対に殺していないとは言い切れない。トミーが聞いた刑務所仲間の打ち明けばなしだが、窃盗犯がハクをつけるためにホラ話をしているのかもしれない。実際にその窃盗犯が殺したシーンが出てくるわけではないし。殺すために全弾使って、さらに弾を詰めてトドメをさすなんていうのはよほど恨みがある上に冷静冷酷な性格の犯人じゃないと。トミーが殺されたのもアンディが刑務所長と刑務主任が犯罪を犯すよう上手く持っていったのかもしれない。
アンディは銀行マンとしての経歴、技量を利用して、刑務所長の裏金を管理し、いつの間にかそれを取り込めるスキームを作っていた。
ロックハンマーとポスターの件もそう。早い段階で着々と準備をしていたことになる。実に油断ならない複雑な人物なのである。
それだけに最後にアンディがレッドとの約束を守り2人が再会するところは熱く重い。きれいごとではなく長い時間をかけてつくられた深い信頼関係を感じさせ感動的だった。

あんちゃん
iwaozさんのコメント
2023年12月17日

すごく面白いレビューですね!
なんか手放しに皆が評価しているのに違和感を感じてましたが、
その部分が少し分かった気がします。
本当にアンディって冷静にみると怖い人ですよね。f^_^;
そういう複雑なところを描きながら物語として上手くまとめられるのがスティーブンキングの凄い所なのでしょうかね。^ ^

iwaoz