劇場公開日 1978年6月17日

「女性が活躍する時代の先駆けの人物を描き、現代の女性にエールを送る」ジュリア あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0女性が活躍する時代の先駆けの人物を描き、現代の女性にエールを送る

2018年9月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

ジュリアの名はジュリアスシーザーの名前が女性に転じたものが語源
つまり女性の英雄を象徴している
少女時代からの親友がその身を犠牲にした社会主義活動家になり、ユダヤ人でありながら第二次大戦前夜のナチスドイツで地下活動するに至る女傑だ
彼女に憧れ少しでも近づこうと背伸びをする主人公は、絶えず心理的に無理をしているから、癇癪持ちで気を静めるために煙草を始終吸っていないと落ち着かない、つまり心のキャパが少ない英雄には程遠いただの人間だ
だからジュリアに感化されて男の様な性格に見えるが、着ている服はフェミニンで料理だってこなしている、本当は女性らしい女性なのだ
かなり年上の包容力ある男性と事実婚を続けて精神の安定を得ているのだ
しかし男女の間は対等であって男に隷続しているわけではない
男も彼女を縛りつけることはない
そんな関係性だ

本作は女性が自立して活躍する時代の先駆けの人物を描くのがテーマだ

製作は1977年
米国で女性の社会進出が一段と本格的になってきた時期に作られた本作は、そんな女性達へのエールだったのだ

ジュリアに再会すべく、戦争迫るベルリンに行く物語の柱はサスペンスとしても良く出来ており手に汗握るできばえ

映像は美しく撮影が素晴らしい

あき240