劇場公開日 2022年6月26日

  • 予告編を見る

「ドヌーブの脚が、」終電車 よしたださんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ドヌーブの脚が、

2018年12月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

萌える

 新進俳優と劇場支配人の妻であり女優でもある女性の恋。
 そこに描かれている感情はその言葉ほどに単純ではないが、ここでは全編にみなぎるカトリーヌ・ドヌーヴの色香についてまずは言及したい。
 階段を昇るときにスカートから覗くものに男の目は釘付けになる。
 この脚が、ドパルデューに押し倒された際には、性行為そのものを思わせるに充分な妖しさを放つ。脚だけでこれだけのエロチシズムを表象するとは。
 若い男を相手にこのような妖艶さを隠しきれない妻。その一部始終を秘密の地下室から見ている夫。
 ナチの迫害から逃れ身を隠しているこの夫が、劇場の芝居を演出し、なおかつ美しい妻の恋をも演出する。他人に自分の妻を抱かせて興奮する男がいるらしいが、この夫もその一人であろう。
 とある、エロティシズムの極地である。

佐分 利信