ザ・モンスター(1982)

劇場公開日:

解説

ロサンゼルスを舞台に女をいたぶることを快感とし、娼婦の命をも狙うサディスティックな男の姿を描くバイオレンス・アクション映画。製作はブライアン・フランキッシュ、製作指揮はサンディ・ハワード、ロバート・レーメ、フランク・キャプラ・ジュニア、監督は「チャーリーズ・エンジェル」を始めとする人気シリーズの演出を手掛けてきたTV界出身のゲイリー・A・シャーマン。脚本はサンディ・ハワード、ケネス・ピータース、ロバート・ビンセント・オニール、撮影はジョン・オルコット、音楽はキース・ルビンスタイン。出演はシーズン・ヒューブリー、ゲイリー・スワンソン、ウィングス・ハウザー、ペペ・セルナなど。ヘムデール・レイジャー・コープが製作協力している。

1982年製作/アメリカ
原題:Vice Squad
配給:松竹=富士映画
劇場公開日:1982年9月15日

ストーリー

プリンセスという愛称で呼ばれるカーラ(シーズン・ヒューブリー)は、単身この世界に生きる街娼だ。彼女には4歳になる娘がおり、そろそろこの稼業に見切りをつけようとしていた。娘を一足先に故郷に送り届けようとする彼女に、若い娼婦のジンジャーから電話がかかってきて、ラムロッドと組むのはイヤだと言う。ラムロッド(ウィングス・ハウザー)とは、この世界で最も悪名高いポン引きだ。娘を見送った後、洗面所で娼婦らしく身仕度を整え客を捜しに街へ出るプリンセス。その頃、ロス市警ハリウッド分署の風紀犯特捜班のベテラン、トム・ウォルシュ刑事(ゲイリー・スワンソン)のパトカーに若い女が助けを求めていると、緊急連絡が入る。現場に駆けつけるとジンジャーが凄惨なリンチを受けた無残な姿でころがり、ラムロッドの名を口にすると息絶えた。死体検死所でジンジャーの変わりはてた姿に対面したプリンセスは、ウォルシュ刑事から依頼された捜査協力を引き受ける。刑事たちが遠巻きに尾行監視を続ける中、プリンセスはラムロッドを遂に見つけ、誘われるまま彼のアパートに入る。ラムロッドがブリンセスの体に手を触れ始めた時、刑事たちが彼の部屋に押し入り逮捕した。逮捕に協力してくれたプリンセスにウォルシュ刑事が礼を言う間に、ラムロッドを護送する車が現場を離れていく。ウォルシュ刑事が一安心したのも束の間、ラムロッドは警察へ向かう車から脱走、雑踏の中に姿を消した。プリンセスらの罠にはまってつかまったラムロッドは、それを根にもち彼女をつけ狙い始める。一方、そういった事態を知らないプリンセスは、大邸宅に招かれ、変態趣味の老人の相手をさせられていた。ラムロッドは拳銃を手に入れると、プリンセスの友人のココにリンチをくわえ、プリンセスの行方をつきとめる。そのころプリンセスは老人の家を後にし、娘への土産を街で物色していた。ラムロッドは、そんな彼女に近付くと、プリンセスをむりやり車の中へ引き込み、ある倉庫に向かった。倉庫の一室に連れ込まれたプリンセスは、ラムロッドの容赦ない鉄拳をあびる。やがて彼女はベッドに四肢を固定され、ジンジャーにヤキを入れた針金のハンガーでおどされ始めた。その時、ウォルシュ刑事ら警察官が部屋へ突入するが、ラムロッドはまたもや逃げのびる。ラムロッド逮捕に命を賭けるウォルシュ刑事は、遂に車で彼を追いつめた。割れた車のフロント・ガラスから狙いを定めたウォルシュ刑事は、モンスターと化したラムロッドに数発の弾丸を撃ち込む。任務を果たしたウォルシュ刑事は、血だらけになって救急車に運び込まれようとしていたプリンセスに近づくと、ねぎらいの言葉をかけ、彼女を見送るのだった。

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(C)1982 AVCO EMBASSY PICTURES CORP.

映画レビュー

3.0僕がおかしいのかな?おかしくなったのかな?

2021年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1982年作品・・・今から約40年前かぁ。。。。はぁ〜。
当時はこの悪行が「モンスター」という扱いだったのね・・・。40年も経つとモンスターとは思えない
くらいに、人間の凶暴さは日常化しているような気がします。
毎日のニュースを見ているとね。
うーーん、僕が麻痺しているのかな?

原題は 「vice squad」=(売春・麻薬などを取り締まる警察の)風俗取締班ということだそうで、「ザ・モンスター」は邦題なんですよね。原題通りの映画だったかな?
確かに、当時のロサンゼルスのこの売春の風景、取り締まりの様子は1982年当時の日本では鮮烈だったでしょうし、めちゃDV男、猟奇的な殺人を行う男は怪物に見えたでしょう。

けど、40年経つと・・・あぁ、嫌な世の中になりました。この当時モンスター扱いされていた男を見ても「あぁ、いるよね」って思ってしまっている自分。あぁいやだ。
それだけ、世の中も人間も殺伐としていて、それらをハードに描く映画も溢れ、SNSなどを通して世間の情報に触れやすくなっていて・・・何かが麻痺しているのでしょうかね?いや、むかーーーしから人間は変わっていなくって、世の中も殺伐としたまんまで、ただ情報に乗る回数が増えてきただけなんだろうか・・・?

まぁ、なんにしても・・・明らかに僕自身、暴力シーンなどのバイオレンス描写に免疫ができまくっているのは確かです・・・。うーーーん、やっぱ嫌だなぁ。何かおかしいような気がするなぁ。

さて、本作。怖い、怖くない。異常、いやそうじゃない・・・・ってのは置いといて。。。。
B級映画感があります。ハードなシーンは直接的ではないにせよ、そこそこイヤーな気持ちになりますし、ハラハラも用意してあります。最後もスッキリできるかな・・・?
なので、まぁよくできた犯罪捕物帳です。
ただ、これも時代なのかなぁ?捜査員たちの立居振る舞いに横暴さを感じてしまい、今見るとその辺りが気持ちを引かせてしまいますね。(そこは差し引かないといけませんね・・・)

土曜か日曜の昼下がり、地上波で流れていそうな作品でした。
時代は流れ、1982年のモンスターは2021年の今、平和なお昼のお茶の間に流れていても違和感を感じない作品になりました。
それは喜ばしいのか?嘆くべきなのか?

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共感した! 2件)
バリカタ

4.0B級臭プンプン

2021年2月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

これもまた80年代を切り取った作品だ。80年代のロサンゼルスのストリートがネオン管に彩られ画面一杯にながれている。内容はどん詰まりの希望のないドン底の社会での犯罪。アブクのように表れて消えて行く人たち。この映画自体の出来映えもそんな感じだ。それだけに、愛すべき映画である。

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shanti

3.0サクサク進みます。

2021年2月11日
iPhoneアプリから投稿

暴行シーンは有るけど、直接的なシーンは無いのね。でも、ひっと思うのは、手の込んだ演出より単純な演出の方がリアル感があるからかしらん。
サクッと話が展開するので、割と楽しめました。
凝ってるものもいいけど、よく分からなくなるぐらいなら、このぐらいサクサク進む方が楽しめる。

80年代あたりの日曜ロードショー的映画、今だと午後ローあたりでやりそうな。直接的なシーンが無いけど、今だとテレビ放映は難しいのかな。

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