劇場公開日 1998年7月11日

「ジラ」GODZILLA ゴジラ(1998) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5ジラ

2018年2月17日
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鑑賞方法:DVD/BD、CS/BS/ケーブル、映画館

悲しい

単純

寝られる

ゴジラシリーズのレビューは全部書いたが、このエメゴジだけは書かなかった。
だって、ゴジラじゃないもん。
しかし…
さあ、今こそぶつけよう。
その失望、落胆、怒りの数々を。

ゴジラがハリウッドで映画化される!
それはゴジラ少年だった私にとって、天にも昇るような嬉しい知らせだった。
一体、どんなゴジラ映画になるんだろう。きっと、日本のゴジラとは比べ物にならないくらい迫力あって、面白くて…期待は尽きない。
さらに監督が、あの『インデペンデンス・デイ』のローランド・エメリッヒ!
この時の私はまだ、エメリッヒをスゲー監督と思ってた。

予告が解禁になったものの、ゴジラの姿は公開まで極秘。
そして遂に来た公開日。
勿論、初日に観に行きましたよ。

OPの核実験の映像。よし、日本のゴジラらしい。何か、映ってる“動物”が気になるけど。
ファーストシーンは日本の漁船が襲われる。うん、日本オマージュ。
全体的に軽い感じで、登場人物もちょっとおバカっぽいけど、まあ、立ち上がりはそう悪くない。
いよいよ、奴が現れる…!

この見せない上陸シーンは臨場感あって、なかなか見応えあるものになってる。巨大感もある。
が、その全貌を見せた途端、一気にトーンダウンしてしまった。
え、これがゴジラ…?
まるで、エイリアンと恐竜を合わせたようなただの巨大生物…。
何か、違う…。
マグロをバクバク食べる。
米軍の攻撃が始まると、逃げる。あのゴジラが!
重厚感は何処へやら、走って走って走る!
何か、違い過ぎるぞ…。

熱線も吐かない。
ラプトルみたいなベビーがわんさか誕生。
極め付けは、ラスト、米軍のミサイルを受けて絶命する。あのゴジラが!
見終わった後、私は悲しみに包まれていた。
ゴジラが死んだからじゃない。
ゴジラがこんな駄作になって…。

後で聞いたが、そもそもエメリッヒにはゴジラ愛なんて無く、『原子怪獣現わる』のリメイクのつもりで撮ったという。
じゃあ最初から引き受けるな!とも思うし、彼を抜擢したスタジオの人選ミスでもある。でも、彼も一応プロの監督なんだから、もっとゴジラを理解して作って欲しかった。J・Jは『スタトレ』ファンでなくとも傑作を撮ったというのに。才能の違い?
ゴジラは怪獣。イグアナが巨大化という設定からしてオマージュをまるで感じないが、一番の問題は、エメゴジには全く存在理由が無い事。
ただ現れて、ただ退治される。
ゴジラは人類を凌駕する存在だ。それがゴジラの存在意義だ。
なのに、容易く退治される。
ゴジラのような怪獣王であろうとも米軍には敵わない。
アメリカの傲慢が恐ろしい。

文句はまだまだ尽きないが、最後に一つだけ。
いつぞやのインタビューでエメリッヒが日本のゴジラに対して、「今時、着ぐるみ特撮なんて誰も見ないよ」と鼻で笑ってた。
マジでコイツをブチ○したいと思った。

作品の出来としては『対メガロ』が酷いが、ゴジラ映画としては最低最悪。
その後、ギャレス・エドワースが見事に作り直してくれた。
『シン・ゴジラ』も傑作だったし、来る2本のハリウッド版も楽しみ。
今のこのゴジラの復活を、エメリッヒはどう見てるだろう。
…いや、何も感じてないかな。

近大
近大さんのコメント
2020年2月19日

地蔵菩薩さん
コメントありがとうございます♪

絶望しなかったのはエメリッヒぐらいで、スピルバーグも「エメリッヒのイグアナ映画なんか見たくない」と言ったとか。

その後『デイ・アフター・トゥモロー』『2012』で多少持ち直したかと思いきや、『ID4:リサージェンス』でまたもや失望。
初の戦争映画『ミッドウェイ』もどうやらアメリカ万歳臭が…(^^;

近大
2020年2月19日

近大氏🙇ご無沙汰で御座います💫

わかります。私もエメリッヒ嫌いになったのは、本作に絶望してからです…当時、アメリカのゴジラファンも絶望したそうで、その中にギャレスやマイケルがいたのではないか?と思わせます😞

エメリッヒの新作「ミッドウェイ」みたいですね…山本五十六が後妻業の男、ミニッツがナチュラルボーンキラーズ…って、そんなセンスですからね😰

NIRVANA
しゅうへいさんのコメント
2018年7月8日

ゴジラを愛する者としては、許せない映画であることは間違いないですね。

しゅうへい