劇場公開日 1987年2月14日

「ストーリー展開よりも肉体勝負の作品。腕相撲で、こんなにもり上がれるものか!」オーバー・ザ・トップ 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ストーリー展開よりも肉体勝負の作品。腕相撲で、こんなにもり上がれるものか!

2011年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ストーリーは単純ながら、スタローンファンには必見でしょう。何しろ、「ランボー」「ロッキー4」が登場した80年代後半の現役バリバリ+人気絶頂期の作品ですから。
 しかも、内容がロッキーを彷彿させるアームレスリングの世界大会がクライマックスとあっては、見ないわけにはいかないでしょう。

 とにかく、単純なアームレスリングの試合を、プロレスのビッグタイトルマッチ並みにエキサイティングに演出しているところが、予想を上回る出来映えです。スターローンを前面にウリにしているだけに、最後は分かっているものの、チャンピオンや世界大会の出場者と圧倒的な体格差をテクニックで克服していく様はなかなか見せてくれました。

 ストーリー展開よりも肉体勝負の作品なので、ながら見でも気楽に楽しめていいと思いますよ。音楽もその後のフジテレビのF-1中継のテーマ曲になるなど、アップテンポの曲がいいです。

 まぁ、ベタな展開ではありますが、主人公ホークとマイケルとの親子の確執を乗り越えるシーンは、それなりにホロリとさせててくれました。

 本作は、プロレスファンにも必見です。出演者には後にプロレスラーとなるスコット・ノートンがチャンピオン役で登場しています。この頃はまだプロレスラーでなく、本物のアームレスラーだったのですね。少年時代からアームレスリングに熱中し、世界大会優勝、全米選手権3度優勝という輝かしい成績を残したそうです。小さな大会等を合わせると、実に30もの大会を制覇してきたというから本物のファイターでした。
 この映画出演がきっかけとなって、高校時代の同窓生で友人のロード・ウォリアー・ホークに勧誘されて、プロレス道場に入門し、その後来日。新日本プロレスの看板選手として活躍することになります。
 その他、一時引退していたプロレスラーのテリー・ファンクもおり、日本のアームレスリング第一人者の南波勝夫も出演していました。

流山の小地蔵