劇場公開日 1959年10月10日

「明日従妹が試験だとわかっていてよく騒げるものだし、それを止めないのも不思議」いとこ同志 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0明日従妹が試験だとわかっていてよく騒げるものだし、それを止めないのも不思議

2020年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合:55点 ( ストーリー:60点|キャスト:60点|演出:50点|ビジュアル:55点|音楽:60点 )

 大きな現代的な造りの部屋に住み車を乗り回し享楽にふけるポールと、田舎から出てきた真面目で純朴そうな青年の2人を対比させて描く。

 前半はかなり退屈した。状況がよくわからないし物語に特に大きな動きもなく、派手に遊びまわるポールを見せられる。まるでフェリーニの『甘い生活』のようだ。そのような場面の描写は、演出が古くてちっとも面白くないし演技の不自然さが目に付いた。
 ポールは何しているのかわからなかったが、シャルルと同じように試験を受けたのだからどうも学生らしい。彼がどういう人物なのか、状況がよくわからないのにも興味を削がれた。ポールがシャルルが明日試験だというのに宴会して思いっきり騒ぎ立てるのにも呆れた。
 シャルルの不器用さと対応力の無さも気になった。明日試験なのに彼はどうして騒ぎ立てるポールを止めようともしないのか、ポールよりもシャルルの無能さを侮蔑してしまった。彼はあまり状況を変えられるだけの力も無かったし、上手くいかない時に思い詰めすぎる。そんな彼が上手く生活をまわせず迎える結末は衝撃的であったが、このような展開は極端すぎるとも思った。

 映像は多くが部屋の中で白黒で撮影されていて、パリの華やかな街並みも大学での生活も殆ど描写されない。映像としてはつまらないし面白みがないだけでなく、世界観が少数の人間関係だけになり狭くなっていたのも好きになれない。

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Cape God