アレンジメント 愛の旋律

劇場公開日:

解説

自ら書き下ろした長編小説をもとに映画化された、エリア・カザンのライフ・ワーク的作品。製作・監督・脚本・原作は「アメリカ アメリカ」のエリア・カザン。撮影は「卒業」のロバート・サーティース、プロダクション・デザイナーは「アメリカ アメリカ」のジーン・キャラハン、美術はマルコム・バート、編集はステファン・アーンステンがそれぞれ担当。出演は「戦う幌馬車」のカーク・ダグラス、「恋人たちの場所」のフェイ・ダナウェイ、「さすらいの大空」のデボラ・カー。その他、リチャード・ブーン、ヒューム・クローニン、ダイアン・ハルなど。テクニカラー、パナビジョン。1969年作品。

1969年製作/アメリカ
原題:The Arrangement
配給:ワーナー
劇場公開日:1970年2月21日

ストーリー

エディ・アンダーソン(カーク・ダグラス)は、貧しいギリシア移民出身だったが、今では広告業界の切れ者として声望もあり、美しく、知的な妻フローレンス(デボラ・カー)と愛する娘エレン(ダイアン・ハル)との恵まれた生活を送っていた。が、ある日交通事故にあったことから、アンダーソンの人生は変わってしまった。アンダーソンは、周囲の人々の言葉も耳に入らず、ただ昔関係のあった女、グエン(フェイ・ダナウェイ)のことだけを考えるようになった。グエンの持つ純粋さが、アンダーソンを魅きつけたのだ。病が癒えたアンダーソンは妻にすべてを打ちあけた。グエンのこと、会社のこと、生き方についての疑問など--。しかし、フローレンスはそれを理解することができない。その後、飛行クラブでセスナ機試乗中、アンダーソンは、ドアをあけて身を乗りだした。誰の目から見ても異常なこの行為により、彼は飛行禁止命令を受けた。そんな時、アンダーソンは、実父危篤の報を受け、病院に向かう。一方グエンは、同じニューヨークのグリニッチ・ビレッジに、父親が誰か分からない我が子と住んでいた。彼女に再会したアンダーソンは、再びグエンの虜となり、情事に我を忘れる。こうしてすっかり変わってしまった彼を、周囲の人々は精神異常だ、と言いあう。そして、アンダーソンの情事の現場を見たフローレンスも、精神病院に入院させる旨の請願書にサインする。アンダーソンは全財産をフローレンスに譲り、精神病院に入院した。アンダーソンが退院した時、すべてを失った彼を待っていたのは、グエンだった。2人はグエンの子供も交え、貧しいながら水入らずの平穏な暮らしを始める。人生半ばにして自分をすっかり変えてしまった巨大な闘いで、現在の静かな生活を勝ち取ったアンダーソンは、人間というものの不思議さ、いとおしさを考えるのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0巨匠カザンのカザンのためのアメリカ・ニューシネマ

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

理解に苦しむストーリーと難解な構成。「エデンの東」のオーソドックスな演出がどこにも見当たらない。年輪を加えた巨匠の自己回顧が、独善的に描かれる。ハリウッド映画界の一部から批判を受け続けた巨匠は、成功の裏にある苦悩と不安と諦観を告白したかったのか。好きな俳優のカーク・ダグラス、フェイ・ダナウェイ、デボラ・カーのメインキャストが勿体なかった。それでもラストのダグラスのフェイスショットは、柔らかい。

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Gustav
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