劇場公開日 2006年3月11日

「パラレルワールド」ルート225 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0パラレルワールド

2021年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 14歳の時がルート196、するとルート225というのは15歳になった主人公の物語なのか。と、次第に数学的なサジェスチョンがあるのかと、原作者が芥川賞作家ということもあって期待してしまう。国道225号の標識もあることだし、それほどの意味はないのか?

 電話さえあれば簡単に解決できそうだけども、携帯は高校に入るまで禁止というエリ子の設定。門構えに@の文字の町名。死んだ同級生に遭遇した中1のダイゴ。やっと見つけた公衆電話で高橋吉伸のテレカを使い母に電話・・・繋がった。

 ダイオキシン8倍と背中に落書きされた弟がキーワード?摩訶不思議ワールドだけど、いつもの世界とちょっとだけしか違わない。それでも姉弟にとっては両親のいない世界がどれだけ心細いものなのか・・・繊細な心理が子供の頃を思い出させてくれるような優しい物語。

 ハッピーエンドを迎えるベタな展開と思っていると、意外とそうならない世界。テレホンカードや背中の落書き、その他色んなことを試そうとする姉弟だけど、そのうち親戚がやってきて2人を別々に引き取る話が進んでしまう。

 大人になれば、誰もが記憶の空白を感じてしまう時間。そのうち忘れてしまうであろう曖昧さを奇妙な経験だけど、どれが本当だったのかもどうでもよいことに思えてしまう。もしかすると親子の絆なんて大したことがないのかもしれないし、個人主義の時代だからこそ生まれてきたストーリーなのかもしれません・・・

kossy